日経先物が急落⚠️
3/29、日経先物が急落しています:

「せっかく含み損が減ってきたのに、また急落かよ!」とガッカリしますね。
「トランプ関税やばいかも」という事で、投資家の間で不安が広がっています。米国では株売り・債券買いのリスク回避が進んでいます。
S&P500売り信号
新NISAで大人気のS&P500に、売り信号が点灯しました:
同じ売り信号がITバブル崩壊、リーマン危機、2022年の利上げショックの時にもありました。
(1)高すぎるPER、(2)高インフレ、(3)下落トレンド、の3つが同時に訪れると、強い売りシグナルとなります。
(1)高すぎるPER
PERは益回りの逆数です。つまり、投資額に対する投資先が稼いだ純利益の利回りです。
益回りが10%なら、全額配当に回せば配当利回り10%となることから、理論上、目先の投資リターンは益回りに連動します。
3/29時点、S&P500の予想益回りは4.73%、実績ベースだと3.60%です。
米国債に投資すればノーリスクで4%の利回りが得られるわけですが、それと比べるとちょっと利回りが低すぎる気がします。
(2)高インフレ
米ミシガン大消費者調査によると、5年先インフレ予想は4.1%だそうです。
ちなみに、1年先の期待インフレ率は前月時点で4.3%でしたが、これも5%に引き上げられたそうです。

米国債の利回りは3ヶ月債が4.299%、5年債が3.979%なので、短〜中期の金利はインフレに負けています。
インフレが強まると無リスク金利が高止まりします。無リスク金利が高いと「リスクを取る旨み」も薄れる恐れがあるので要注意です👀
(3)下落トレンド

S&P500指数は12ヶ月平均を割れて下落トレンドになりました。米国株はトレンドが崩れると弱気に傾きやすいです。
これは僕の「仮説」ですが、トレンドが崩れると危ない理由は、アメリカは景気サイクルが長いからです。
この資料によると、戦後のアメリカの景気サイクルは「拡張期間が64.2ヶ月」「後退期間が10.3ヶ月」というスパンなのだそうです。
これを年数に直すと「好景気5年」「不景気1年」というサイクルです。
5年も好景気を経験すると大体の人は「景気が良くて当たり前」と麻痺するもので、投資家も「上がって当たり前」「割高でも問題ない」というマインドが醸成されるでしょう。
こうやって楽観が行き過ぎる頃に短期集中でドカッと不景気がやってきます。
ゆっくりジリジリ上がっていって、ドカンと下がる。この「ドカン」は、長く続いた上昇トレンドが崩れた時に押し寄せる傾向があります。だから過熱した相場でトレンドが崩れるとヤバいわけですね。
ちょくちょく調整が入って「過熱感」がないなら押し目を拾えば良いです。しかし、株高が行き過ぎた時にトレンドが崩れると高リスク低リターンのリスクがあるので超注意です👀
(1)、(2)、(3)が出揃うと、だいたい半年くらいS&P500が下がる傾向がありました。2025年いっぱい、米国株は厳しいかもしれません💦
金鉱株の急騰
期待インフレ率も高まった影響で、「米国債を買おうにも実質金利がマイナスじゃねーか!」と驚いた方も多いかと思います。
足元ではゴールドや金鉱株が上がっていて、インフレ対策への動きも強まっています。

ただ、ゴールドも金鉱株もだいぶ高くなってきたので、「このまま右肩上がりが続くのか?」と言われると、はなはだ疑問です。ゴールドは利息を産みませんからね。

World Gold Councilが開示しているゴールドの算出コストは1オンスあたり1400ドルくらい。
対して今の純金価格は1オンスあたり3000ドルまで上がっています。大体2倍くらいですね。
ただ、今みたいな状況で「ゴールドを買っておけば安全だった」という確証は持てないんですよね。
S&P500で売り信号が点灯するとゴールドも金鉱株も一緒に下がることが多かったです。足元でこそ株価が上がっていますが、一過性な気がします👀
関税と世界恐慌
トランプ関税について、「世界恐慌のときも関税がキツかった」という話題が上がっています:
このグラフは、アメリカの輸入に対する関税の平均値です。
見ればわかるように、世界恐慌があったとき(1930年代)に関税が大きく引き上げられました。2025年に入り、トランプ大統領がそれ以上の関税を行おうとしています。
確かに、このグラフを見ると不気味ですね。
1930年、米国は「スムート・ホーリー関税法(Smoot-Hawley Tariff Act)」を制定しました。
これは米国内の産業を保護するために大幅な関税引き上げを行ったもので、結果として世界各国が報復関税を課しました。
この貿易戦争により、世界貿易は急激に縮小し、不況を一段と深刻化させる要因となりました。
- 自国産業の保護目的で高関税を導入
- 各国が報復関税を導入し、貿易戦争の様相を呈している
- 世界経済が減速局面にある時期の関税引き上げである
という3点は当時とも似通っていて、なおさら不気味です。
日経平均の想定レンジ
日経平均の予想PERは13〜17倍のレンジで推移しています。レンジは時間と共に少しずつ上がっていて、3月時点で32500〜42500円です。

3/29時点の先物は36300円で、想定レンジから見ると「真ん中ちょい下」くらいです。
円安とバフェット効果もあり、このまま新年度相場に入ってくれると期待しています。
中長期では「安い」バリュエーションになってきましたので、ここは強く行きたいですね。
いま注目の株
業績よし!割安感よし!チャートよし!の銘柄を見つけたので紹介します。
今日取り上げるのは東テク(9960)です。

同社は1955年創業の空調機器および関連機器の専門商社であり、空調業界の草分け的存在として業界をリードしてきました。
空調分野では業務用空調国内シェアトップのダイキン工業のNo.1代理店であり、計装分野ではアズビル(空調自動制御国内トップ)の特約店として、多様なメーカーの製品を幅広く扱い最適な提案を行っています。
予想PERは11.1倍、今期の予想ROEは16.08%で、資金効率も良いし、株価水準も割安感があります。
参入障壁の評価がちと難しそうですが、ここ10年で株価も10倍に上がっていますし、業績を見る限りは「良さそうな会社じゃないか!」と思います。
トレンドは上方向だし、オペレーションはしっかりしてそうだし、2/10には上方修正しており波にノっているということで、なかなか面白そうだと思いました。
追伸
メルマガ登録よろしくね。 これからも有益な情報をお届けします。
トランプ関税やら、インフレやら、相場が荒れそうで心配ですね。
相場が荒れている時は立ち振る舞い方しだいでピンチもチャンスに変わります。
今後も面白い株がたくさん出てくると思います。また見つけたら共有しますねー。
コメント
いつもとてもためになる情報をどうもありがとうございます。
去年から投資信託の積立で毎月S&P500を購入してきましたが、利益が今年に入ってかなり減ってきています。
S&P500に売り信号が出てこれから半年以上下落傾向にあるということは、多少残っている利益がマイナスになる前に、今のうち投資信託でも売却して現金化しておき、再度米国株が上昇気流に転換した際に再度今回売却した資金を投入した方が良いということになるのでしょうか?
そもそも今の値付けでも上がると思ってるから買っているはずなんで、未来を信じているならホールドですよね。インフレもトランプ次第なので「これだけで売るのは理由としては弱いな」とも感じます。一方、コロナ危機みたいに金融緩和じゃぶじゃぶでケロッと反発するとも期待しにくいので「節税枠よりも撤退を選ぶ」というのも1つかもしれんなーとも思いますね 一生戻らないとは思っていません。記事にも買いたように「短期リターンは益回りに連動する」傾向があるので、目先のリターンは乱高下しつつ目先数年は年率5%くらいに落ち着くんじゃないかなーと思っています。この利回りに満足ならホールドだし、そうでないならもっと手堅い資産あるいは利回りの高い資産へ乗り換え、という感じかと思いますー いずれにせよ、どんな前提で株を持ってるんか?というのが大事かと思いますー。
なるほど ご丁寧にどうもありがとうございました。