関税15%でも、米国が90%得?
2025年7月23日、トランプ大統領が発表した相互関税が25%から15%へと引き下げされるニュースが飛び込んで来ました。まだ情報が錯綜しています。
「関税は引き下げられたが逆輸入をするらしい」
「80兆円(5,500億ドル)も投資するらしい」
「利益の配分は1:9らしい」
のように、重要そうな情報が「らしい」付でポンポン出てくるものですから、どう解釈したものかと筆者も頭を悩ませております。
ニュースメディアなどは政治的な思想にも偏りがあり、かつ、自分の政治理念に沿って書きたいことを書くためイマイチ全体像が見えてきません。
そこでまずは公式情報としてホワイトハウスが開示しているファクトシートを見てみます。現時点で固まっていることを整理していくと、以下の通りです:
- 5,500億ドルの在米投資ファンドを創設する
(対象はエネルギー、半導体、重要鉱物、医薬品、 造船などの基幹産業) - 相互関税が25%から15%へ引き下げられた
- 米国産品が日本に入りやすくなる
(農業、エネルギー、航空・防衛、自動車など)
かなりタイトなスケジュールで交渉が行われたはずなので、共同文書はまとまっていません。これから詳細が出てくるのでしょうね。上記に加えてほぼ確定的だと思われる話は、
という点でしょう。
もう少し深く考えてみると、アメリカは「金儲け」が大好きな国です。ですから、儲かるビジネスがあるならばすでにアメリカにあるはずで、在米投資ファンドは「そうではない」分野に行われると言えます。
であれば、利益の配分などは正直どうでも良くて、むしろ重要なのが「貸し倒れに陥るリスクがどれだけあるのか」だと思います。
ゴミみたいなプロジェクトばかりに融資をさせられて、限度いっぱいまで融資枠を損させられたらたまりませんから、そこのところの審査基準や、どこまで融資枠が使われるのか、どこが融資先かが重要です。
今の所は「まだお金を貸していなくて、足元では、関税税率が引き下げられる」ということになるので、マイナスはこれから出てくる話で、当面は関税税率を引き下げたプラスの効果が続きそうです。
なお、アメリカのファンドに有志するのはJBIC(国際協力銀行)などなのですが、JBICの貸し倒れ比率の実績は3%前後で、なおかつ、すべての資金をロスするとも限りません。
なお、関税の話は上場企業の業績にすぐ現れるので「わかりやすい」ですが、アメリカファンドの方は、実際のところどうお金が動くのか追跡が難しそうだと感じます。うまく誤魔化されている気もしますが。
個人的には「よくまとめたな」と感心しています。正直、石破さんのことは嫌いでしたが、このディールで見直しました。気を抜かず、頑張ってほしいですね。
追伸
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