いま最大のリスク?⚠️
トランプ大統領が相互関税についてトーンダウンしてきました。4/23は久しぶりに日本株も上がり、息継ぎできました。ほっと一安心ですね。
ベッセント財務長官も火消しに忙しいようで、当面、金融危機みたいなリスクもない気がしています。よかった。
そんな中、リスナーさんから、 「自分が怖いリスクはこれだ」 と教えてもらいました。それが円高誘導です。
ブルームバーグの記事を以下に引用します:
米国は1ドル=100円が念頭の可能性も、120円前後が現実的-シティ
日銀が正常化で円を押し上げる代わり、米国は対日関税見送りの公算
トランプ大統領は貿易赤字をなくすことを目論んでします。その一環として「日本円が安すぎる!」「円高にしろ!」みたいな圧力をかけてくるかもしれません。
1ドル=100円になったらとんでもない大打撃です。1ドル=120円でも大きな動きですから、関税交渉がどう転ぶか、引き続き目が離せません。
心配ならポートフォリオの組成を見直したいですね。円安メリットの比重を落としたり、円高メリットの比重を高めたり、できることあるはずです。
日経平均、底打ちか二番底か
なんとなくではありますが、ひとまず危機的な状況は免れた気がします。とはいえ、景気が良いわけではないので、よくある景気後退期に入りそうです。
いつも通り、日経平均株価のレンジを考えてみましょう。
ここ10年ほど、日経平均の予想PERは13〜17倍のレンジで推移しています。
また、EPSは時間と共に少しずつ上がっていて、過去10年間ではCAGR 8.5%です。
(1)PERのレンジと(2)EPSの成長ペースが今後も維持されるとすると、今後の株価は次のグラフのように推移すると期待できます。

2025年4月時点の筆者の想定レンジは32500〜42500円です。
4/23時点、日経平均株価の終値は34868円です。だいぶ戻ってきましたが、まだ安いですね。金融危機でも起きない限り、良い買い時だと思います。
中原は「これから景気後退に入るけど、株価は十分にそれを織り込んで安くなった」と捉えています。
とはいえ、トランプ関税や為替リスクもあるので、相変わらず外需株は買いにくいと思います。
いま買うならディフェンシブな割安株、もしくは関税の影響を受けない、のぼり調子のシクリカルな割安株が良い気がしています👀
つまり、これから相場はセクターによって「まだら模様」になるでしょう。銘柄選定の腕が試されると思うので、しっかり目利きしたいですね。
トランプ関税で下がる株
ざっくり、いま起きていることを整理していきます。
- 貿易量の低下
- 設備投資の先送り
- 円高(誘導?)
- デフレ・資源安
この4つが、トランプ関税で起きている、と思います。
これらが「逆風」に働く株は、売る必要こそないまでも、ナンピン買いするのはちょっと違う気がしています。
一方、これらが「追い風」に働く株があるなら、しっかりポジションを取って、追い風を満喫したいところです。
貿易量の減少で、すでにコンテナの流通量が減っているそうです。海運株に取っては打撃が大きそうです。高配当株なので注目している人もいるでしょうが、さわりにくいです。
景気後退が心配で設備投資の先送りが増える、となると機械や電気機器などの景気に敏感なセクターは買いにくいですね。
また、円高が続く場合は外需企業は買いにくい。ちょうどトランプ関税の影響を受けやすいセクターでもあるので、関税の行方が固まるまでは「怖くて手を出せない」という人も増えそうです。
インバウンド消費もそろそろ落ち着いてくる気がします。となるとインバウンドで稼いできたセクターは厳しいと思います。
また、関税がデフレ圧力となるのであれば中古品も売れなくなると思います。新品でも安く買えるようになりますからね。(ただし、メイドインチャイナの中古品に限るため、影響は限定的な気もします)
資源安も厳しいので、原油の元売り、資源開発系の株も買いにくいですね。
バフェットが買った五大商社をNISAで買おうか悩んでいる方もいると思います。三菱商事とか人気ですね。
ただ、資源安が業績悪化に繋がりそうだし、バフェットも円建て債をあまり起債していないそうなんで、「どうなんだろう?」と僕は懐疑的です。
中国からのダンピングが厳しくなりそうなので、鉄鋼、非鉄金属などの素材系もパス。
繊維製品は何気にEUが規制強化していた気がします。そもそも儲かっているイメージがないのもありますし、手を出しにくい。
上がる株
逆の視点で考えてみます。
円高が追い風になる会社としては輸入株ですね。うちは食品卸の株などを買ってます。コストが安くなるので、たぶん採算も改善すると思うからです。
デフレ圧力が働く、ということは、「モノが余っている」ということなので、特に中国と競合しているメーカーは厳しいかもです。
逆に、「モノは余っていてもヒトが足りない」状況は続く気もします。資本集約的な会社よりも労働集約的な会社の方が伸びやすい環境になってくるのかも。
景気が良いなら人材派遣とか良さそうですが、悪いなら「リーマンでも業績が伸びたサービス業」とか狙い目かもですね。
建設業は追い風かも。円高で材料費が安くなればラッキーだし、そうでなくても2024年問題でタダでさえ人手が足りていません。足りないものは高く売れるのが世の常ですから、まだまだ稼げると思います。
明豊ファシリティワークス(1717)なんかキラキラしてますよねー。

同じ理由で、トラック運送業者とかも業績が良くなりそうですね。2024年問題で人手が足りていません。
足元でも株価が好調なところが多いです。ガソリン代も安くなるんだったら、もっと業績良くなりそうです。うちも持っています。
陸運といえば、ハマキョウレックス(9037)ですよねー。

あと、「モノが余るんだったら、置き場所が必要だよね」とも思うんで、倉庫とか伸びるんでしょうかね。
みずほのレポートによれば、不動産業へのインパクトも小さいそうです。
やっぱり大東建託(1878)は良い気がしますね。

資源安ということは、資源を「使う側」の会社は儲かりそうです。電力会社はエネルギー価格が下がると採算が良くなりますね。電気代もこれから安くなりそうです。
電気代が安くなる、というなら、スーパーやドラッグストアなどの採算も改善するでしょう。
2022年に電気代が高騰して苦境に陥ったスーパーはたくさんありましたが、その逆が起きそうです。こないだ、うちも食品スーパー株を買いました。
監視しているのは「肉のハナマサ」を買収したJMホールディングス(3539)とかですね。

あとはタイヤメーカー。資源価格が下がると合成ゴムの製造コストが落ちます。原油の下落はタイヤメーカーにとってプラスなことが多いです。
ただ、タイヤメーカーは海外売り上げ比率も高いです。円高で相殺される面もある気もします。
タイヤの卸値が安くなったりはするんでしょうか。もしそうなら、タイヤを小売している業者とかは恩恵があるかもしれませんね。
昨日ピックアップしたG-7ホールディングス(7508)とか良い気がします。

ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。
昔は四季報4000銘柄を読破しながら散々バックテストしました。社会情勢が変わった時に、「この会社には追い風」「この会社には逆風」とパッと判断できるようになりました。
読破は無駄じゃなかったです(笑)
いま注目している株
ここまで取り上げなかったけれど、これもどうだ!という銘柄をピックアップします。それが、日本アクア(1429)です。

アベノミクスで株価が上がりすぎた反動で2015年は下がりましたが、それからのぼり調子です。
断熱材を扱っている会社です。桧家グループの傘下でして、桧家グループって良い会社だった気がするなーということで注目しています👀
同社は断熱材を扱っていて、施工と販売をしています。ここ10年でも、着実に業績を伸ばしてきました。
予想PERは11.4倍で、配当利回りが4.7%あります。資金効率も高く、ROEは20%くらいで維持しています。
「ザ・内需!」ということでトランプ関税の影響は受けないだろうし、2024年で業績の最悪期は脱している気がします。
調べ切れてはいないんですが、同社は業績が3年周期くらいで上がったり下がったりしているんですよね。それで、落ち目だったのが去年で、今年はV字回復するんじゃないかなーと👀
トランプ大統領の影響で相場が二転三転していますね。荒れ相場だからこそ本質をしっかり見極めたいところです。
相場が荒れている時は立ち振る舞い方しだいでピンチもチャンスに変わります。
今後も新しいニュースがたくさん出てくると思います。また気づいたリスクやチャンスがあったら共有しますねー。
追伸
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