売り信号の意味
ちょくちょくYouTubeで「中原さんは売り信号といいますが、空売りなどはやっているんですか?」と質問が届きます。ここで回答します。
2025年8月現在、空売りなどはやっていません。
2022年まではVIXやプットオプションなどの弱気ポジションを持つことがありました。しかし、2023年に大きく負けてから、この手の弱気ポジションを持つのはやめました。
その代わり、売り信号が点灯したら「安易に株を追加購入しない」とか「景気に敏感な株を売って、守りの固い株に乗り換える」とか、そういう対応をしています。
空売りを仕込みましょう、という話はしていないし、「こういう状況だから、下がった場合のことも考えておこうね」という注意喚起のために書いています。
外れたら外れたで良いし、そもそも手堅く投資をしていれば、株価がどうなろうが儲かるので、予想を当てる必要もありません。
予想が当たらないと勝てないのは投機であり、予想が外れても勝てるようにするのが投資だからです。
バリュー投資家の期待リターン
次のグラフをご覧ください。

いつも書いていますが、これは、我が家が目指している株式投資のゴールです。このグラフのように金融所得を右肩あがりに増やすことを目指しています。
株式投資は「企業のオーナーになること」です。オーナーの稼ぎは、投資先の稼ぎに依存します。理論上、株式投資の利回りは益回りが上限です。
投資先が稼ぐ以上のお金を、オーナーが引き出すことは不可能です。だから、投資先が稼ぐ以上に、オーナーが稼ぐことを期待するのは不健全です。
「株価が上がってくれたら良いな」と欲が出るのは仕方のないことだと思いますが、それを当てにしてはいけないと思います。
益回りが5%の株を買って「1年で2倍になることを期待する」のは明らかに期待しすぎだと思うし、仮に当たったとしても「2倍になって当然」などと考えるのはとても傲慢だと思います。
1年で株価が期待通り上がればよし。投資先が企業努力でしっかり業績を伸ばしてくれて、それ以上に株価が上がればなお良しです。
株価が上がると期待できるのは「適正株価よりも安く買えた場合」だけで、そういう投資は、得てしてPERが低くなります。
前に共有したS&P500のバックテスト結果を見れば、一目瞭然ですよね。

S&P500への投資リターンは、投資したタイミングでのPERに強く依存しています。妥当な価格(PER14〜20倍)なら益回りくらいのリターンです。
高い価格(PER23倍以上)なら長期的な低迷も起こり得ます。安い価格(PER14倍以下)なら、益回りに追加して水準訂正による値上がりも期待できますね。
株式市場全体で見て、投資家が儲けることができるリターンは「投資先から金融所得」が全てです。それ以上はありません。
あとは、安すぎるものが上がるか、高すぎるものが下がるか、あるいは短期的な人気・不人気で行ったり来たりするだけです。
我が家では、だいたいPERが8倍の株に分散投資しています。日経平均株価の予想PERの半分くらいですね。さっきのグラフだと、ちょうど左端に当たります。

ここまで安い株を買っていれば、10つに1つくらいは水準訂正で2倍になってくれるんじゃないかと期待しています。
そしたら、残りの9つのリターンが横ばいでも、年率10%くらいのボーナスが入るかもしれません。
まあ、そうは言っても、不人気な株が急に人気になるってのも考えにくいので、そういう期待を一切排除するなら、年率12%、1ヶ月あたり1%くらいのリターンになれば良いなと思っています。
そんな感じで「投資先がどれだけ稼いでいて、我が家の取り分はいくらか?」を計算しているので、ぶっちゃけ相場が過熱ぎみかどうかはどうでも良いです。
上がったり下がったりを繰り返しているうちに、のんびりリバランスをしていれば金融所得は増えていくし、相場が動かなくても、それはそれで良い投資先ばかりなので業績が伸びて金融所得が増えていきます。
株価が上がったらボーナス。下がったら安く買い増すチャンス。動かなくても放っておけば収入が増えるから順当に勝ち。そうやって「どう転んでも勝てる」ことを目指しています。
8月の決算シーズンも一段落したんで、これからは、リバランスしつつ、もっと手堅いポートフォリオ作りを目指していきます👀
追伸
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