俺の夢は、もう終わった・・・

投資報告
この記事を書いた人

個人投資家。元Yahoo!株価予想達人。
同サイトで25歳で「ベストパフォーマー賞」「通算最高勝率者賞」受賞。2006年ルービックキューブ日本大会準優勝。MENSA会員。座右の銘はヘンリー・フォードの「本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである」

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From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

「俺の夢は、大学1年の春に終わった」

T君は言いました。

先日、起業家のT君とランチに行きました。T君は大学時代のクラスメイトで、大学を中退し起業し、いまではそこそこの経営者として一線で活躍しています。

「どうして、大学を辞めたの?」と僕が尋ねると、

T君は「夢を描いていた物理の世界に限界を感じたから」と答えました。

「物理の世界に限界を感じた?」

「そうなんだ。最初は物理を学べば未来を予知できると思っていたんだ。例えば物理法則を使って、世界の全てを知ることができると真剣に考えてた。でも、実際は違うって分かってさ。量子物理学の最初の最初に「未来は分からない」と全否定されちゃってさ。そこで熱が冷めちゃった」

T君は苦笑交じりに言いました。

僕はその話に共感しました。

「夢が大学1年で潰れたのは、ちょっと分かるなぁ。でも、それがどうして大学中退してまで起業する話につながったの?」

「真理を暴きたいという気持ちが行き場を失って、もう何をして生きていけばいいか分からなくなったんだ。夢はもうなくなってしまったし、とやかく考えるより分かりやすくカネを稼げるようになりたい!と思ったのが大きかったかな」

夢を追うか、カネを稼ぐかで悩む人は多い。T君の場合は夢がなくなったから金儲けに全力を注いだようでした。夢がなくなったからこそ、金儲けに極振りできたのかもしれません。

「世界の真理を暴きたい」という気持ちは、誰にだってあるものです。

芸能ニュース、政治の裏話。陰謀論。科学。宗教。なんでもそう。

行き着く先…思想や形は違えど、誰もが「真理を知りたい」と思っています。そして、自分がもっとも腑に落ちる答えを探し求めています。

僕もT君と同じで、「物理や化学で世界の真理を知りたい」という気持ちは、大学1年の頃に冷めました。代わりに「株式市場の真理、上がる株と上がらない株の違いを知りたい」と思うようになりました。

この「真実を知りたい」という気持ちは、たぶん一生なくならないと思うんですよね。そして、株式市場では「事実は小説よりも奇なり」で、よく分からんことが沢山おきます。

投資を始めてからの15年、やっと少しは理解できるようになったと思いますが、未だに分からないことも多く、投資判断を間違えることもたくさんあります。

株はよく分からん。腑に落ちないこと沢山ある。でも、よく分からんから、きっと楽しいんですよね。すべてが分かることは一生ないだろうけれど、もし分かるのであれば、きっと退屈になってしまうのでしょう。

こういうとき、「自分は天才じゃなくて良かった」と感じます。たぶん、株のことを理解できてしまったら、こんなにハマらなかったです。

考えても考えても分からない。ときには考えることすら嫌になる。でもちょっと時間がすると、また戻ってきてしまう。

そんな魅力が株式市場には宿っている気がします。成功もあれば失敗もあり、ときには酒に溺れたくなるほど辛いときも…というかそうなりかけたときも…ありますが、やはり楽しい。ジジイになっても続けたいですなぁ…。

– 中原良太

PS

ちなみに、あなたが株を続ける理由は何ですか? 僕と同じなんだろうか…?

PPS

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