AIバブル崩壊で世界恐慌が来る?
YouTubeのトップページを開くと、やたらと「AIバブル崩壊!」とか「世界恐慌が来るぞ!」という動画がオススメに出てきます。どうやらこれは僕だけじゃないようで、妻や知り合いの投資家も同じことが起きているみたいです。
AIはバブルかもしれない、とか、世界恐慌が来るとしたらどんな時か、とか、悲観的なシナリオを考えておくのは大事なんで、頭の体操も兼ねて僕の考えをまとめておきます。
AIがバブルである、という人の主張には、大まかには2パターンあります。
1つは「そもそもAIの性能は大したことない」という主張。もう1つは「AIへの投資が過剰である」という主張です。
AIの性能は大したことない?
「AIの性能は大したことない」という主張に関しては、まあ、そりゃAI開発競争が始まって1〜2年ですから、そんな短期間で凄いもんが出てくる訳ないよな〜というのが僕の認識です。他にも「AIはパクりばかり」という人もいますが、その点に関しては人間も大差ないでしょう。
最近で最大のイノベーションだったスマートフォンも、2008年に登場したばかりのときには玩具みたいなもんでした。ダウンロードできるアプリは少ない、バッテリーの持ちは悪い、通信速度でがめちゃくちゃ遅い…などなど、いまのものと比べると全然ダメだったと記憶しています。
それから15年が経って、スマートフォンは今や「使わない日がない」という人が多数派になるくらいまで進化しました。OpenAIがGPT-4を発表したのは去年の春くらいだと記憶していますが、たぶん、これがiPhone3とか4くらいの位置づけなんでしょう。
このように考えると、僕としては「これからまだまだ伸びしろはあるよな」と感じています。
どう考えても設備投資の効果が取り返せない「しょぼいAI」しか作れなかったら大問題ですが、それなりに改善が見られるなら投資を緩めるのではなく、逆に投資を拡大する必要があります。AIサーバーのインフラを担っている会社にとっては、むしろ追い風なんじゃないかなーとも思います。
AIへの投資が過剰か?
「AIへの投資が過剰である」という主張に関しては、その可能性はあります。
足元ではエヌビディアを筆頭とする先端半導体が売れに売れていて、業績が急拡大しています。しかし、次に発表される「GPT-5」が想定以上に性能が良かった場合は、「あれ、そんなに投資しないでもスゴイAIを作れそうだぞ」ということになります。
ここで大事なのが、設備投資に対する「AIの進歩のペース」です。いまの設備投資で「良いAIをまったく作れる兆しがない」という無駄打ちでしかなかった場合は「AIに賭けるには早すぎた」という話になります。これは自分でいろんなAIを使ってみて判断できるでしょう。
あるいは、「思ったよりも投資しなくても良いAIを作れてしまった」と効果バツグンだったりすると、エヌビディアを筆頭とする先端チップ企業は「過剰生産」ということになり、業績が転落して株価もズドンと落ちてしまうでしょう。
いまのAIの開発状況を見るに、さいきん発表されたGemini Liveとか、テスラが開発中の自動運転技術(FSD v12.5)はまだ性能が不十分なように見えます。
僕の認識では、少なくとも今までの設備投資が「過剰」とは言えないと思います。これからエヌビディアが売り始めるBlackwellでどこまでAIが進化するかで、明暗が分かれるところになりそうです。
生成AI関連株に投資している僕としては、生成AIが「使えるけど、まだ改良の余地は大きいだろうな」と感じるうちはガチホで良いだろうなーと考えています。
世界恐慌が来るとしたらいつ?
とはいえ、僕が生成AI関連株に投資しているので「ポジショントーク」と言われたらそれまでです。
では、仮にAIバブルが崩壊して世界恐慌レベルにまでつながるとしたら、何がきっかけに、どれくらいの下げが来るか考えてみます。以下の図をご覧ください。
これは、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の月足チャートです。
仮に今がAIバブルだとすると、過去のシリコンサイクルの「底値メド」くらいまでは株価が下がってもおかしくなさそうです。
あくまで経験則ですが、フィラデルフィア半導体株指数は「36カ月移動平均(=3年)」にヒットすると底打ちしたことが多いです。このラインを大きく割り込むことは稀だし、成長産業なので不死鳥のように超絶決算を叩き出して返り咲くからです。
8/20時点のSOXの終値は5266ポイント。これから3600ポイントまで下がるとすると、下落余地は30%くらいですね。
現在、日経平均株価の終値は38062円92銭。予想PER(加重平均)は15.4倍くらいです。
仮にSOXに引きずられて日経平均株価も同じくらい引きずられて下がるとすると、底値は2万6500円といったところでしょうか。そこまで下がると予想PERは11倍弱です。
日経平均株価の予想PERは過去10年ほど、日経平均株価の予想PERは12〜17倍で推移してきました。暴落の最終局面でショック安などが起きる可能性も含めると、それくらい下がる可能性はありそうですね。
次に、世界恐慌が来るとしたらいつか?を考えます。以下のチャートをご覧ください。
(出所:https://www.centralcharts.com/en/gm/1-learn/9-economics/34-fundamental-analysis/916-how-is-the-s-p-500-different-from-gdp)
チャートの通り、過去のバブル崩壊はだいたいEPS下落がきっかけです。
AIバブルが本当で、それが崩れるとしたらNVIDIAのEPSが落ちた時かも。実はAI投資が効果バツグンで「めちゃスゴイAIができた!」場合は、むしろ設備投資がそんなに要らないということだから暴落につながる可能性がありますね。
何にせよ、被害を避けたいんだったら、chatGPTを実際に触ってみて、いまの性能がどれくらいなのかを知っておくのが大事な気がします。
まあ、本当にめっちゃすごいAIができたら、こんどはNVIDIAの代わりにM7の業績が爆上がりすると思うんで、また次のバブルにつながる「ドでかいセクターローテーションに過ぎない」という線もある気がしますが💦
SNSでのつぶやき
気になる株主優待
Xで知ったのですが、楽天(4755)の株主優待がかなり面白い。
100株保有していれば、「楽天モバイル」の音声+データ通信(30GB)1年間無料(要申込)だそう。携帯電話の通信料金って月2000円くらいはすると思うんですが、これが1年間無料は大きいですよね。
夫婦で100株ずつ持っておいて通信料金をタダにできれば月4000円の節約です。年間5万円弱の支出が浮くことになるので、10万円以内で買える株にしてはお買い得かもしれません。もちろん、この手の優待は長続きするとは考えにくいですが。
そういや、ホリエモンさんもこないだ楽天買ってました。KDDIが楽天買収するんじゃないか、というストーリーされてて気になってました。妻と話し合ってみるかぁ。
銅価格が上昇中
銅先物が25日線を突破。住友金属鉱山(5713)の逆襲相場が始まる気がします。世界最大の銅山ストライキは終わりましたが、もともと銅価格はかなり低い水準です。このまま底打ち反転するとなると、住友鉱も1〜2割値上がりしてもおかしくないと思う。同社はゴールドも算出してるけど金価格も強い。
上昇トレンド復活!
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が75日線(赤線)を上抜けしました。
日経平均株価はSOXと連動しやすく、75日線を上回ると強気相場になりやすいです。目先1カ月くらいは安心じゃないかなぁ。二番底の心配はしなくても良さそう。また下落トレンド入りしたら、そのとき警戒ですね👀
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