一瞬の気の迷いで150万円も損した話
ちょっと前の話なんですが、うちの主力級の持ち株がストップ高になりました。1000万円くらい持ってた主力株だったので、このストップ高で150万円ほど儲かりました。
はじめは「ウヒョヒョ〜!」と大喜びしていたんですが、実は、この株、春ごろに半分近く利益確定した株なんですよね。
その時もめちゃくちゃ儲かって「ウヒョヒョ〜!」と喜んでいたんですが、よくよく考えてみると、あのとき利益確定しなければ、今頃追加で150万円儲かってたんですよね。
言い換えると、「あの時の利益確定のせいで、僕は150万円も儲け損ねてしまった」ということです。ああああ〜〜、売らなきゃよかった!
「150万円を稼ぐプラス」と「150万円、儲け損なうマイナス」を比べると、差し引きトントンになります。
僕は「ストップ高で150万円」を儲けながら、「150万円を儲け損ねて」もいるので、せっかく良い株を買った「良い投資判断」が、利益確定という「悪い投資判断」のせいで台無しになってしまいました。
ちなみに、乗り換えて買った株はほとんど上がっていません。ほんと、余計なことをしたせいで、めちゃくちゃ損をしました。あああ失敗した・・・。
振り返りの大切さ
株式投資は、投資判断の正しさを競うゲームです。
だから、1つ1つの投資判断を定期的に「レビューする(=振り返る)」ことで、「あのとき買ったのは正しかったのかな?」「あの時売ったのは間違いだったのかな?」と客観的に評価するのがめちゃくちゃ大事です。
レビューをしないと、過去に犯した失敗を、これからも何度も繰り返してしまいます。
失敗は時間とお金のムダ=コストで、このコストを抑えないことには、穴の空いたバケツに水を汲むようなもので、いくらお金を貯めても穴から漏れ出ていってしまいます。
大きな失敗をしたら、それに気づく。失敗に気づいたら、その失敗を修正する。
1つ、また1つと失敗を修正していって、バケツの穴を塞いでいくと、どんどん利益が貯まるようになっていって、利益が利益を生むようになるわけですね。
特に個人的に大事だな〜と思っているのが、「損をした時のレビュー」と「儲け損なった時のレビュー」です。
損をした時に「なんで損をしたのか?」を振り返るのは当然ですが、儲かった時はそれで満足してしまって、「本当はもっと儲けることができたんじゃないか?」とレビューするのを怠りがちなんですよね。
特に株式投資をやっていると「ついつい利益確定を急ぎたくなる」のが人間の本能というものでして、本当だったらじっくり利益を伸ばせたはずなのに、本能に従ってしまったせいで、「儲け損なう」ことが多いです。
株を初めてもう15年以上経ちますが、また本能に負けて儲け損ねてしまいました。我ながら「学んでないなあ」と恥ずかしく、情けない気持ちになります。
寛大なしっぺ返し戦略
ゲーム理論に「寛大なしっぺ返し戦略」というものがあります。
どういうものか?というと、
- とりあえず、はじめは自分は相手に協力的に接する
- 相手が自分を裏切るようなら自分もしっぺ返しする
- 相手がまた協力的になれば自分も協力的に戻る
という戦略でして、この戦略を採用することで、ずるい人からの搾取を最小限にとどめつつ、誠実な人とは長く付き合うことができるよね〜というものです。
僕はこの戦略をアダム・グラント博士の「GIVE&TAKE」という本で知ったんですが、これ、結構、株式投資でも使えるんですよ。
具体的な応用方法としては、
- 「安くて良さそうな株」を見つけたら、まずは投資先の経営陣が「善良だ」と信じて株を買ってみる。
- 経営陣が信頼を裏切る(=株主に損をさせる)ようなら、株を売って支援を打ち切るか、株主提案でアクティビズムを起こして仕返しする。
- 経営陣がまた協力的になる(=株主に利益をもたらす)ようなら、株を持ち続けて支援を続ける。
という感じですね。
「期待に応えてもらえているうちは相手を信じ、期待を裏切られたら見切る」というだけのシンプルな方法なんですが、これら有効なんですな。
ちなみに、この動きは株式市場でまさにダイナミックに起きていて、PBR1倍割れ=投資家の期待を裏切りつづけてきた会社は万年割安株になるかアクティビストに是正され、優良企業の株はバキュームのように株主を吸い寄せるわけですね。
これが「投資の基本スタイル」なのだとすれば、「株価が上がっているとき」には基本的に「何もしない」のが正解で、売らずに放ったらかしにしておいた方がうまくいくことが多いんですよね。
いやあ、GIVE&TAKE、面白い本だったなあ。そのうち、また読み返したくなってきたなあ。
追伸
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