バリュー投資が儲からない理由
先日「PERが低い株を買っても上がらないのでは?」というお声を頂きました。
確かにPERが低い株には「安かろう悪かろう」のリスクがありますね。だから百発百中とはいきません。
筆者の持ち株にも、こういう奴があります:

上がりもしないし下がりもしない。ちょっとは上がっているけれど、もうちょっと上がってくれんか?という株です。
儲けたとは言っても「スズメの涙」で、時間ばっかり失っています。多分、個別株に長期投資をしていると、こういう株ばっかりになるんじゃないかと思います。
しかし、実際にパフォーマンスを調べてみると、バリュー投資は日本株でも有効に機能してきました。外れが多くても、なぜか全体では得なのです。
例えば、単にPERが10倍以下、ROICが10%以上の株に分散投資をすると、こんなシミュレーション結果になりました。

PERは「益回りの逆数」です。
益回りというのは、投資先から受け取れる純利益(EPS)を株価で割って利回りにしたものです。株版の金利みたいなものですね。
PER10倍は益回り10%、つまり、年率10%の純利益を、配当や自社株買い、あるいは成長投資(配当が増える可能性)という形で受け取れるのです。
成長投資がそのまま配当の増加につながるとすれば、配当性向50%の株は5%の配当+5%の配当成長(=株価上昇)という形で、年10%くらいのリターンになるはずです。
シミュレーション結果はこれよりもさらに良好で、PER10倍以下の個別株に分散投資すると、年率20%のリターンになりました。
なんでこんな結果になるのか?というと、ほとんどの株はヨコヨコでも、5〜10に1つくらいはドカンと上がるからですね。
ドカンと上がったら割安でなくなるので利益確定して、また割安株に乗り換えて。そしてまた5〜10に1つがドカンと上がって…という繰り返しです。
百発百中どころか1〜2割のヒット率で残りは「ヨコヨコ」でも、業績と連動して上がるくらいで十分に元を取れます。全部上がる必要はないわけです。
でも、ほとんどの人は「8〜9割のヨコヨコ」に目が向きます。安くて良い株を買っていればそのうち上がると思いますが、ちっとも上がらない株ばかりなのでつまらなくなって辞めちゃうんですね。
言い方を変えると、バリュー投資は「小さな有利」をいくつも積み重ねていくことで大きなリターンに繋げる手法です。
「ドカンと勝つ」というより、「コツコツ積み上げる」ものなので、小さなミスを減らし、小さな得を拾っていくのが大切です。
投資先から引き出せる現金収入こそが「価値」であり「株価の裏付け」です。
その原資がEPS(厳密に言うならフリーキャッシュフロー)ですね。この裏付けを右肩上がりにしていきさえすれば、株価も上がると考えるのが自然です。バリュー投資では「価格の最大化」は考えずに「価値の最大化」を目指すわけですね。
だから私は繰り返し「バリュー投資家のゴールはこのグラフだ」と書いているわけですね。

「感覚」と「現実」の差と言うのは恐ろしいもので、本当はうまくいくものでも「うまくいっていない気がしてしまう」ものです。
だから、しんどくなってしまって、なかなか続かないんですよね〜。
追伸
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