生保各社が、日本国債の利上げを見込んでいるそうです。短期金利1%くらいを想定しているそうですが、どこまで上がるでしょうね。
金利は「重力」みたいなもんなんで、金利が上がると適正株価は下がるし、業績も落ちる。
ここ10年、日経平均の予想PERは13〜17倍で推移してますが、このラインも怪しいですね。すでにREITでは4%の岩盤が崩れてますし。
日本経済はすでに減速気味
地味に日経平均のEPSが下がってきていて怖いなーと思いました。
青線が加重平均のEPS。赤線が指数ベースのEPSです。
加重平均の方の3EPSは日本経済全体の勢いと考えてもらえたらと思います。青線は10月あたりから失速していて、景気全体の勢いが落ちてきています。
一方、指数ベースの方は日経平均株価の勢いですね。こっちはまだ衰えてないので、TOPIXは厳しいけど、日経平均はまだ強そう、という印象です。
5月にEPSがジャンプして上がっていますが、これは本決算の影響で決算期が変わったからです。
まあ、普通の企業なら業績が伸びるはずなんで、ここで上に上がるのは当然と言えば当然ですね。
最新版:日経平均の想定レンジ
何度か取り上げている「日経平均の想定レンジ」ですが、これは加重平均を使って計算しています。
本来であれば指数平均を使うのが妥当なのですが、手持ちのデータが加重平均のものしかないので、あくまで目安として計算しています。
日経平均のEPSが下押ししているので、日経平均の想定レンジも下方向に修正して作り直しました。
矢印の大きさを見れば分かる通り、「上がるとしても幅は小さく、下がるとしたら幅が広い」と思っています。
利上げの影響
さて、そろそろ日銀が利上げしそうですね。銀行株とか保険株とか買ってる方も増えてるんじゃないでしょうか。
金利は「重力」みたいなもんなんで、金利が上がると適正株価は下がるし、業績も落ちます。
ここ10年、日経平均の予想PERは13〜17倍で推移してますが、金利が上がると、このラインが急に怪しくなります。すでにREITでは4%の岩盤が崩れてますし。
REITの利回りは5%くらいになり。長期金利とのスプレッドが4%近くまで広がってきています。
日銀が金利が据え置くことになれば、今はREITを買うには「良い仕込みどき」になりそうです。逆に、いよいよ利上げとなると、REITはまだまだ下がる余地があるかもしれませんね。
米国株も高金利時代はPER15倍くらいが妥当だったんですよね。足元の高金利で、今のめっちゃ高いPERをいつまで維持できるんだろう。
利上げした場合の想定レンジ
成長率もリスクプレミアムも変わらない&利上げが今の値付けに全く織り込まれていないという前提に立つと、無リスク金利が1%上がるごとに、主要指数の想定レンジもめっちゃ下にいく気がするんですよね。
そりゃそうだ、超低金利でほぼ無重力だったところから、いきなり重力に晒されたら立てなくなる。
足元では10年金利が1%ですが、この場合の想定レンジがPER13〜17倍です。中央値のPER15倍=益回り6.7%ですね。
10年金利が2%になると、無リスク金利が1%上がるので、益回り7.7%が妥当な水準かと思います。
となると、だいたい想定レンジはPER11〜15倍くらいじゃないかなーと思います。
短期金利がインフレ率と同じところ2%まで上がるとしたら、10年金利は3%くらいまで上がるでしょうか。
こうなると、株式の益回りは8.7%くらいが妥当になりそうですが、そうなると想定レンジはPER9.5〜13.5倍くらいかと。
日銀がどこまで利上げするかは分かりませんが、インフレ率よりも低い金利が永遠に続くわけないですから、最終的には韓国と同じくらいの金利=3.5%くらいに落ち着くんじゃないかなーと思います。
そこまでたどり着くのに何年かかるかは分かりませんが・・・汗
業績好調な低PER株
利上げ環境では、「目先の収入」がものを言うんですよね。めっちゃ配当を受け取れるとか、配当が少なくてもPERが低くて、勢いよく業績が伸びているとか。
たとえば、やまびこ(6250)とか、面白そうだなーと思います。PERは7.5倍、配当利回りは3%を超えていて、業績も悪くない。
小型屋外作業機械(チェンソーとか)を作ってる会社なんですが、国内シェアもトップだし、海外も3位といい感じです。
利上げしても、想定レンジよりも低いPERで株を買っていれば怖くないので、こういうところを物色すれば大丈夫だと思っていますー。
追伸
メルマガ登録よろしくね。 これからも有益な情報をお届けします。
コメント