セルインメイとは(Sell in May)アノマリーを検証!
どうも、中原良太です。
株の論文が大好きで、300本近く目を通してます。この知識を活かして、2018年からの3年弱でトレード資金を約2倍に増やしました。
先日、こんなツイートをしました:
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【セルインメイとは(Sell in May)?アノマリーを検証】
①5〜10月は下がり、11月〜4月は上がりやすい
②300年前から有効、36カ国で有効、日本でも有効
③大統領選挙と日照時間が原因では?という説が有力セルインメイは別名「ハロウィン効果」とも呼ばれています。大型株より小型株が強力かなぁ。 pic.twitter.com/dKVzS5IAFH
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) October 18, 2020
①5〜10月は下がり、11月〜4月は上がりやすい
②300年前から有効、36カ国で有効、日本でも有効
③大統領選挙と日照時間が原因では?という説が有力
5月や11月が近づくと、「そろそろセルインメイが始まるな!」とか「セルインメイが終わるな!」という人が増えてきます。
ですが、「セルインメイってどれだけ有効なの?」とか、「なんでセルインメイが起こるの?」という深いところまで知っている人はあまりいません。(僕もそうでした)
そこで本記事では、上のツイートを深掘りして、「セルインメイとは(Sell in May)アノマリーを検証!」というテーマでまとめます。
セルインメイとは(Sell in May)
アノマリーの検証①:夏と冬
セルインメイとは(Sell in May)アノマリーの検証結果その1は「夏に下がり、冬に上がる」です:
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【①5〜10月は下がり、11月〜4月は上がりやすい】
アメリカの相場格言「Sell in May and Go away(5月に売って去れ)」が起源。1990〜2000年代にガッツリ研究されていて、全世界で株価サイクルが確認されてます。ざっくり「夏は下がりやすい」「冬は上がりやすい」とおぼえておけば良いかと。— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) October 18, 2020
“アメリカの相場格言「Sell in May and Go away(5月に売って去れ)」が起源。1990〜2000年代にガッツリ研究されていて、全世界で株価サイクルが確認されてます。ざっくり「夏は下がりやすい」「冬は上がりやすい」とおぼえておけば良いかと。"
まずは「セルインメイ」の意味から。要は「5月に売れ!」という話です。
ちなみに、日本ではセルインメイと呼ばれるかわりに「デカンショ節効果」と呼ばれることもあります。
日本株の場合は、5月〜10月、11月〜4月という中途半端なくくりよりも、上半期(1月〜6月)と下半期(7月〜12月)と、1カ月ずれて株価が動いてます。
セルインメイとは(Sell in May)
アノマリーの検証②:長く広く有効
セルインメイとは(Sell in May)アノマリーの検証結果その2は「300年前から長く、36カ国と広く有効だった」です:
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【②300年前から有効、36カ国で有効、日本でも有効】
エラスムス大学らの研究によると、セルインメイは「300前から有効だった!36カ国で有効だった!日本でも有効だった!」というデータが得られてます。ちなみに300年前から有効だったのはイギリス。さいきんは大型株で効果が薄れ気味なイメージ。— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) October 18, 2020
“エラスムス大学らの研究によると、セルインメイは「300前から有効だった!36カ国で有効だった!日本でも有効だった!」というデータが得られてます。ちなみに300年前から有効だったのはイギリス。さいきんは大型株で効果が薄れ気味なイメージ。"
要は「めっちゃ昔から有効だったぞ!」という話です。
ただ、いまやセルインメイは世界的に有名です。このアノマリーを先回りして利益を出す人が増えた影響で、大型株では通用しにくい印象があります。(特にアメリカ株はかなーり薄れてますね)
一方、プロが少ない新興株とか小型株はまだまだ使える印象があります。
セルインメイとは(Sell in May)
アノマリーの検証③:大統領選と日照時間
セルインメイとは(Sell in May)アノマリーの検証結果その3は「株価サイクルが起こる原因は大統領選挙と日照時間である可能性」です:
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【③大統領選挙と日照時間が原因では?という説が有力】
夏に下がり冬に上がるのは、日照時間が原因という説が有力です。夏は日照時間が長く気分がハイになり株がピークをつけやすい、冬は日照時間が短く気分がダウンになり株がボトムをつけやすい…という感じ。周期が半端なのは大統領選挙が原因かな— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) October 18, 2020
“夏に下がり冬に上がるのは、日照時間が原因という説が有力です。夏は日照時間が長く気分がハイになり株がピークをつけやすい、冬は日照時間が短く気分がダウンになり株がボトムをつけやすい…という感じ。周期が半端なのは大統領選挙が原因かな"
セルインメイの話をすると決まってツッコまれることが2つあります。
1つは「たまたまじゃない?偶然じゃない?」というツッコミ。
そう感じるのも分かる。僕もそう思いました。でも、大量のデータを集計した研究のすえ、いまでは「偶然とはいえないくらい株価が歪んでる」という見方が優勢です。
原因は「日照時間」と言われています。太陽光は人の精神状況に大きな影響を与えますからね。(冬は鬱になりやすいと言われてます)
そんなだから、セルインメイは「南半球ではあまり通用しない!」なんて話も出てます。これも、仮説と現実が合ってる気がします。
もう1つは「なんでそんな中途半端な周期なの?」というツッコミ。
この点はまだ解明されてないのですが、僕個人的には「アメリカの大統領選挙が11月だからじゃないか?」と考えてます。
大統領選挙の前は「様子見で売られやすく」、大統領選挙の後は「不安が薄れて買われやすい」ようです。
日照時間と大統領選挙の影響が重なって「5月〜10月に下がる」「11月〜4月に上がる」という株価サイクルに落ちついたのだと思います。
過去のアメリカ大統領選挙が株価へ与えた影響については、コチラの記事でまとめています。
まとめ
本記事をまとめると以下のとおり:
【セルインメイとは(Sell in May)アノマリーを検証!】
①5〜10月は下がり、11月〜4月は上がりやすい
②300年前から有効、36カ国で有効、日本でも有効
③大統領選挙と日照時間が原因では?という説が有力
僕がはじめてセルインメイを知ったとき、「オカルトっぽいな〜」と鼻で笑っていました。
ですが、今ではその有効性を見直し、1つの判断材料として加味しています。
NISAで株を買うタイミングを考えるのに便利です。(NISA枠を使うなら年初は1月、年末なら11月に使う!みたいな)
投資判断に悩んだとき、さいごのひと押しに使ってみると良いかもですね〜。
– 中原良太