【なぜ?】大型株のPERやPBRが「高い方がいい」と言われる理由
どうも、中原良太です。
2019年は株で400万円ほど稼ぎました。今年はこの利益で暮らしています。
「がんばって本を読んで株式投資の勉強をしているのに、ちっとも儲からない!」とお悩みでは?
それもそのはず。株本で紹介されているテクニックは古すぎるものが多く、いま使っても通用しないことが多いからです。
そこで、この不都合な現実について以下のツイートをしたところ好評でした:
↓
【大型株への株式投資で通用しないテクニック3選】
①低PERを買い:15年通用せず
②業績が伸びたら買い:15年通用せず
③高ROEを買い:15年通用せず大型株の目安は時価総額5000億円以上。大型株に有効なテクニックは「暴落したら買い」の逆張りくらい。それ以外はだいたい通用しません。激ムズです pic.twitter.com/TqM3VH24bh
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) July 26, 2020
①低PERを買い:15年通用せず
②業績が伸びたら買い:15年通用せず
③高ROEを買い:15年通用せず
そこで本記事では、このツイートを深掘りして、「大型株への株式投資で通用しないテクニック3選」というテーマでまとめます。
PERやPBRが「高い方がいい」と言われる理由
1つ目が「PERが低い株を買え!」というテクニックです:
↓
【①低PERを買い:15年通用せず】
株本などで有名なのが「PERが低い株を狙え!」という話。目安としてはPERが10倍を割れていると割安です。が、このテクニックは時価総額5000億円、マンモス級の大型株には通用しません。低PERの大型株は、「安かろう悪かろう」なのだという見方をするのが基本です。— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) August 3, 2020
“株本などで有名なのが「PERが低い株を狙え!」という話。目安としてはPERが10倍を割れていると割安です。が、このテクニックは時価総額5000億円、マンモス級の大型株には通用しません。低PERの大型株は、「安かろう悪かろう」なのだという見方をするのが基本です。"
ちなみに、PERだけでなく、PBRでも同じです。いわゆる割安株投資は大型株では通用しにくい。
「割安株投資なんて意味ない!」と言う人が多いのは、大型株で「安かろう悪かろう」の株を買っているのかもしれませんね。
ただ、勘違いしちゃいけないのは、PERやPBRが「高いほうがいい」というワケじゃないってこと。大型株でも、PERやPBRが高すぎる銘柄は普通に下がってます。
正確に言えば、「PERがPBRが低いだけの株を買っても儲からないし、PERやPBRが高過ぎる株を買えば普通にダメ」ということ。しっかり企業を分析して、割安なものを目利きする必要があるってことですね。
PERやPBRだけじゃない!
業績が伸びている株を買っても15年通用せず…
2つ目が「業績が伸びてる会社を買え!」というテクニックです:
↓
【②業績が伸びたら買い:15年通用せず】
ほかにも「業績が伸びたら買い!」という話も有名。でも、大型株では話が別。大型株の場合、業績が一時的に伸びることはあっても、伸び続けるケースは少数派です。むしろ、どこかで頭打ちして、逆戻りするケースが多い。成長ありきで投資すると失敗しがち。— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) August 3, 2020
“ほかにも「業績が伸びたら買い!」という話も有名。でも、大型株では話が別。大型株の場合、業績が一時的に伸びることはあっても、伸び続けるケースは少数派です。むしろ、どこかで頭打ちして、逆戻りするケースが多い。成長ありきで投資すると失敗しがち。"
子供であれば、成長期にすくすく身長が伸ばせます。ですが、いちど大人になってしまっては、身長が伸びるのは「誤差範囲」でしょう。
日本で、時価総額が5000億円を超える会社は230社くらいしかありません。日本企業全体の5〜6%です。残りの94%はそれより小さい。
つまり、これだけの巨体を「維持するだけでもかなり大変」ということです。
PERやPBRだけじゃない!
ROEが高い株を買っても15年通用せず…
3つ目が「ROEが高い会社を買え!」というテクニックです:
↓
【③高ROEを買い:15年通用せず】
ROEは「ビジネスの効率の高さ」を表す指標。高ければ高いほど、「優秀なビジネスだ」と言えます。これも王道の分析方法。ただ、大型株の場合、ROEが高いビジネスは競争の引き金になることが多い。今はROEが高くとも、競争激化とともに悪化する事例は後を絶ちません。— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) August 3, 2020
“ROEは「ビジネスの効率の高さ」を表す指標。高ければ高いほど、「優秀なビジネスだ」と言えます。これも王道の分析方法。ただ、大型株の場合、ROEが高いビジネスは競争の引き金になることが多い。今はROEが高くとも、競争激化とともに悪化する事例は後を絶ちません。"
ROEが高い事業は、それだけ真似もされやすいです。一部の業界は競争が激し過ぎて恐ろしくもあります。
たとえば、コンビニ。コンビニのプライベートブランドのせいで、業績が悪化した食品会社などは多いんじゃないでしょうか。
まとめ
本記事をまとめると以下のとおり:
【大型株への株式投資で通用しないテクニック3選】
①低PERを買い:15年通用せず
②業績が伸びたら買い:15年通用せず
③高ROEを買い:15年通用せず
勘違いしてほしくないので改めて補足。
こういう話をすると、「じゃあ、PERが高くて、業績が伸び悩んでいて、ROEが低い株を買えば良いんだ!」と拡大解釈する人が出てきます。これは断じて違います。
これまでご紹介した3つは、投資の王道とも言える、超基本的なテクニックです。
それでも、「数字を数えるだけで勝てる」なんて甘いモンじゃないんだということです。当然の話ですよね。
投資本にかかれている王道のテクニックは、大型株ではもはや通用しません。
プロがうじゃうじゃする大型株では、初心者でも分かる知識だけじゃ勝てないってことです。
一方、小型株ならまだ使えてます。株本のテクニックを使いたいなら、小型株で練習するのが無難でしょうな。
– 中原良太