決算発表で上がる株を見つけるおすすめの方法を分かりやすく解説
From: 中原良太
自宅の書斎より、、、
もうすぐ決算発表ラッシュが一段落します。ゆっくり決算を読み、優れた株を見極める時期に入ってきましたね。
次々に出てくる決算を見て、「決算が良いのに持ち株が下がった!」とか、「決算が悪いのになぜか爆上げした株がある!」とか、困惑している方も多いでしょう。
そこで今回は、「決算発表で上がる株を見つけるおすすめの方法」を分かりやすく解説します。
そもそも決算発表とは?
「そもそも決算発表って何?」という方もいるでしょう。復習がてらサクッと解説します。
決算発表とは「会社の成績表」です。イメージ的には「自分の子供の預金通帳を眺めている」感覚で読むのが良いでしょう:
↓
親だったら「子供が勉強していないから、通知表見たくない!」という気分にはならないかと。(むしろ監視しておきたくなります笑)僕は、こんな気持ちで決算を眺めています。決算が良かったら「よく頑張った!!!」となります。決算が悪かったら「サボってやがったな!!!(怒)」となります。
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) May 8, 2020
会計知識のあれこれは入門書がたくさんあります。中学生や高校生でも理解できますから、このあたりの本を読んでおくと良いでしょう:
↓
https://amzn.to/2STOSa8
決算発表で上がる株を見つける方法とは?
決算発表は「会社の成績表」です。株式投資とはすなわち、投資家が「会社のオーナーになること」ですから、成績表の確認は必須です。
とはいえ、日本には4000社近くの上場企業があります。これら全ての会社の決算を確認するのは不可能です。よって、まずは最低限、持ち株の決算を確認するのが良いでしょう:
↓
いまの決算発表は気分が暗くなるので、持ち株以外はなるべく見ないことにしました。その代わり、持ち株以外では自社株買いに注目します。いま自社株買いできる会社は「危機にそなえ現金をたっぷり持ってた」「安いときに株を買う正常な投資感覚の持ち主」と言えます。有望株を探すにはうってつけです。 pic.twitter.com/F1evJsniDo
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) May 8, 2020
決算の良し悪しは、僕らの「期待の大きさ」によって変わります。
たとえば、「100億円稼いでもらう」ことを期待して買った投資先が、200億円を稼いでいたら、これは嬉しいサプライズです。
一方、「500億円稼いでもらう」ことを期待して買った投資先が、同じく200億円稼いでいたとしても、これは嫌なサプライズです。
結局のところ、決算の良し悪しは「期待感」によってまちまちです。僕の場合は「赤字でなきゃ良い」くらいの保守的な見積もりで株を買っているので、よくも悪くも期待を裏切られることはほぼありません。
逆に言えば、「自分がどれくらいを期待しているか」も考えずに株を買うと、決算発表の良し悪しの判断はつきません。
株を買う前のうちに、「どれくらいの業績を想定しているか」を明らかにしておくのが良いでしょう。
決算発表で上がる株を見つけるおすすめの方法:「自社株買い」に注目
先ほど、決算を読むときは「自分の子供の預金通帳を眺めている」感覚で読むのが良い、という話をしました。
株式投資は子育てに似ていて、結果が出るまでに時間がかかります。それこそ、子供ががんばって勉強をしても、結果が出るのには最低でも数ヶ月はかかるでしょう。
その性質上、決算発表は長期投資では重要ですが、短期でおカネを稼ぎたい場合には役立たないケースも多いです(サプライズ決算がある場合は別です)
とはいえ、「早くおカネを増やしたい!」と感じるのが僕ら投資家の本望です。そこで、短期でおカネを増やしたいときに注目したいのが自社株買いの発表です:
↓
「自社株買い」とは、自分で自分の会社の株を買い戻すことを指します。IPOやPOが「株の売り出し」だとすれば、自社株買いはその逆です。いまのように相場が下がったときは、自社株を安く買い戻せます。だから、配当金を増配するより、自社株を買うほうが株主還元として有利なケースが出てきます。
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) May 9, 2020
自社株買いとは、自分の会社の株を買い戻すことを指します。自社株買いとはいわば「自分の会社の株は安い」という自信の現れで、株価上昇を促す効果があります。
なお、自社株買いの有無は「株探」という無料サイトで確認できます。
↓
自社株買いをチェックするときのポイントは2つ:
↓
PBRが1倍割れでの自社株買いは「錬金術」に近いです。たとえば、PBRが0.5倍での自社株買いは、「自社株を簿価の半額で買い戻す」という意味です。規模が大きいほど1株あたり簿価が高まり効果はテキメンです。僕らが「お買い得だ」と思う会社が大規模な自社株買いをしたら、強力な買いシグナルです。
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) May 9, 2020
1つ目のポイントは「株価の安さ」です。目安としてはPBR1倍の会社を探すと良いでしょう。
2つ目のポイントは「自社株買いの規模」です。この規模が大きいほど、株価へ与えるインパクトも大きくなります。良い例が今年2月〜3月に発表されたソフトバンクグループ<9984>の自社株買いです。
↓
ソフトバンクグループSTOP高。さすが孫正義。やることの規模が違う。抜け目のなさは天下一品だなぁ。ただ、株価がSTOP高になれば、自社株買いの旨味はとうぜん薄れる。株価が下がれば買い、でも上がれば自滅行為だから、安易についていくのは微妙だな。#自社株買い2兆円https://t.co/xgBQ4vH4ME
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) March 23, 2020
逆に、役に立たない自社株買いもあるので注意しましょう:
↓
逆に、株価が割高なときに自社株買いをする会社は、単なる「自己満足」です。この場合、「経営陣がうぬぼれている」と判断するのが妥当です。一律の目安はないので「自分が買いたくならない割高株が自社株買いを発表していても微妙」と覚えておきましょう。僕らの純投資の金銭感覚が、結局はキモです。
— 中原良太の「株式予報」 (@STOCKFORECASTjp) May 9, 2020
自社株買いは企業の自信の現れですが、割高な株を買い戻す会社はナンセンスです。また、規模が小さい場合も効果が薄いのでチャンスとしては微妙です。
儲かるチャンスを見つけるにはそれなりの努力が必要ってことですね。
まとめ
ここまでの話をまとめると以下のとおり:
【決算発表まとめ】
決算=企業の成績表
決算は子供の成績表を眺めるように読む
最低限、自分の投資先の決算は読む
短期で稼ぐなら、決算と併せて自社株買いに注目する
決算発表ラッシュは毎年4回、シーズンごとにあります。極めてしまえばこっちのもの。年に4回、給料日が訪れることになります。
攻略する価値はあると思いますよ。
– 中原良太