ROE(自己資本利益率)を使って良い投資先を見分ける方法をゼロから解説

From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

ビジネスにおいてROE(自己資本利益率)はめちゃ重要。でも、ROE(自己資本利益率)の大事さを理解していない人が多くて残念です。

ROE(自己資本利益率)さえ極めてしまえば、ハッキリ言ってビジネスは「勝ち確」です。そこで今回はROE(自己資本利益率)についてガッツリ解説していきます。

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ROE(自己資本利益率)とは何か?

「そもそもROE(自己資本利益率)って何?」という方も居るでしょう。まずは定義からおさらいします:

自己資本利益率とはズバリ、「手元の資金を使ってどんだけ利回りを出せたか」を示す指標です。

たとえば、貯金100円を使って鉛筆を買い、その鉛筆を110円で売って年10円の利益が出たら「ROEは10%」です。

ROEは高ければ高いほど「少ないお金でたくさんお金を稼いだ」という意味になります。

経営陣が優秀だったり、ビジネスモデルが優秀だったりすると、企業のROEは自ずと高くなります。そして、長期投資の利回りはだいたいROEより低くなります。(ROEが得られる利回りの上限です)

特に「ビジネスモデルが優秀」なことが大事で、本当に儲かる企業は経営者が代わっても優秀であるケースが多いです:

つまり、僕ら投資家は「優秀な経営者」というより、「優秀なビジネス」を探し出すためにROEを分析するべきってことですね。

RIZAPは見境なくオンボロ企業を買収していったので、成長戦略としては最悪の道をたどったように見えます。

また、「優秀な経営者」のおかげで高ROEだった会社の良い例が「クックパッド<2193>」あたりです。

同社はもともと「穐田誉輝(あきたよしてる)さん」という方が指揮していてめちゃくちゃ成長していた会社でした。

ですが、現社長に追い出されてからはオンボロ企業へと様変わりをしてしまいました。(図はクックパッドのチャート)

一方、ひとむかし前まで穐田さんが経営していた「カカクコム<2371>」あたりは、穐田さんが代表取締役から降りた後も、同社のROEは一貫して30%超え。かなり優秀です。化け物レベルです。

海外で同じレベルのビジネスといえば、「コカコーラ」が有名です。同社のROEはたまにおちますが、概ね20%超えです。これもすごい。

まとめると、経営者やビジネスモデルの実力は「ROEに出てきやすい」ということです。中でも、優れた経営者を必要とせずに、高ROEを維持できるビジネスは「金のなる木」という称号がふさわしいでしょう。

2014年に公開された「伊藤レポート」では、ROEはだいたい「8%」を超えれば及第点とされています。

ROEが8%を割れているビジネスは経営陣がクソ…あるいは、ビジネスモデルが劣悪だということですね。

ちなみに、ROEは僕ら投資家の利回りとしても応用が利きます。

たとえば、投資の神様バフェットは若い頃、だいたい年率30%(ROEが30%)くらいで資産を運用していました。彼はこのペースで運用を続け、12年で資産を23倍に増やしました。これまたすごい数字です。

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ROE(自己資本利益率)の3つの構成要素

要は、「魅力的なビジネスは、ROEが高くなるケースが多い!」ってことですね。ちなみに、ROEを改善する方法は概ね3つあります:


それぞれ専門用語で「???」となる方もいそうです。そこで以降では、それぞれのポイントについて解説していきます。

1つ目が「付加価値を高めて(またはコストを減らし)利益率UP」です:

これは「値上げ(またはコストカット)」でROEを高める方法です。この方法が上手い会社はディズニーランドなどが挙げられます。

日本の場合は、寡占状態の通信大手もよくやる手法でしょうね。(さいきんの通信量は高すぎです)

2つ目が「在庫回転を早めて(または回転規模を拡大し)売上UP」です:

これは「たくさん売る」ことでROEを高める方法です。Amazonなどは在庫の回転を早めるのが上手です。広告をバンバンかけて既存店の回転を早める作戦もアリです。

なお、店舗数を増やすのは、お金がダブついている場合は有効かもしれませんが、ROEを高める施策としては微妙です。

デイトレーダーなどは「毎日株を回転売買することでお金を稼ぐ」典型例です。これも在庫(株式)の回転を早めてお金を稼ぐ良い例ですね。

3つ目が「借金してレバレッジUP」です:

これは借金をして、企業内に眠っている休眠資金を減らす作戦です。日本企業はコレがヘタ。現金がダブつきROEが低くなる所も多いです。

これは僕ら個人も同様で、家計では現金がダブつきがちです。「たくさん現金は眠らせてしまい、ぜんぜん投資に回していない」という家は、もはや宝の持ち腐れ状態です。

この点、ソフトバンクGあたりは借金を使う達人です。同社は限界いっぱいまで借金してムダな資本を削ぎ落とすことで限界一杯までアクセルを踏み、ROEを高めています。

ただし、借金には返済義務があるので、ある種「諸刃の剣」のような性質があります。事業が頓挫すると返せなくなり、そのまま倒産…となる可能性もあるので注意が必要です。

あとは、証券、銀行、保険などの金融業者も③が基本です。金融業者は裏にバクダンを抱えているケースもあるので注意が必要です。

優れたビジネスである会社の場合、概ね①と②だけで高ROEを実現できます。逆に借金に頼った経営はビジネスの構造自体に問題がある場合が多いです。

また、③に頼り切りの企業は、資金繰りの綱渡りが上手な「優秀な経営者」が必要です。逆を言えば、経営者が入れ替わった瞬間にボロカスなビジネスに衰える可能性があるので注意が必要です。

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ROEが低い会社は「二流以下」

ここまで「ROEを高める方法は3つある」という話をしました。まとめるとこんな感じです:

①付加価値を高めて利益率UP
②在庫回転を早めて売上UP
③借金してレバレッジUP

とはいえ、これら3つの手段を駆使してもROEが低い会社もあります:

ROEが低い会社は、先述した3つの方法を全て使えていません。これは「経営陣がクソ」か「ビジネスモデルが劣悪」のどちらかです。

前者は経営陣を入れ替えれば上手くいきます。ですが、後者は経営陣を入れ替えてもうまく行きません。そうなったらお手上げです。

低ROEは控えめに言って「金食い虫」です。バーゲン価格で買う場合は別ですが、そうでない場合は手を出さない方が良いです。

目安として、ROEが一貫して15%を超えている会社はかなり優秀です。とはいえ、ROEを高いまま維持するのは大変です。だから、高ROEの会社を見つけた後は「この会社の強みはなんだろうか?」など、徹底してリサーチしていく必要があります。ROEは奥が深い。極めるまでには一生かかりそうですなぁ…。

– 中原良太