「リーマンショック」と「コロナショック」の根本的な違い

From: 中原良太
自宅のリビングより、、、

さいきん、インターネットを巡回していると、
「コロナショックはリーマンショック以上の経済打撃!」
なんて記事をよく見かけます。

新型コロナウイルスは恐ろしい病気で、
先日は有名人の志村けんさんが亡くなり、
彼のファンだった僕もショックを受けました。

とはいえ、

「病気による一時的な実需の低迷(コロナショック)」と、
「金融システムの崩壊(リーマンショック)」を混同し、
恐怖を煽るのはちょいと違う気がします。

「景気が低迷(後退)する」という結果は同じにせよ、
経済が混乱する仕組みがぜんぜん違います。

だから、一概に、
「コロナショックはリーマンショック以上の経済打撃!」
と表現するのはいかがなものかと思うのです。

そこで今回は、
『「リーマンショック」と「コロナショック」の根本的な違い』
というテーマで、今回の不況について詳しく解説していきます。

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リーマンショックは「信用危機」(システミックリスク)

まず、2008年に起きた、
「リーマンショックの仕組み」
について解説します。

「リーマンショック」が起きたメカニズムは、
つまるところ「信用危機」(システミックリスク)です。

「信用危機」だの、
「システミックリスク」だの、
専門用語を使うと分かりにくいので、

(やや乱暴ではありますが)
平たい言葉を使うと「金融がダメになる」ことですね。
ここでの金融とは「銀行」「証券」「保険」などの産業です。

リーマンショックで起きた事件としては、
「取り付け騒ぎ」などがありますね。

リーマンショックが起きたメカニズムは、

「クソみたいな仕組みのローンが流行する(サブプライムローン、CDO)」

「ローンの貸し倒れが次々に起こる」

「リーマンブラザーズが潰れる」

「リーマンブラザーズと取引していた銀行も共倒れ」

「企業が銀行からお金を借りれなくなる」

「結果、企業も共倒れ」

といった感じ。

金融が潰れてしまった影響で、
ドミノ倒しのように次々に会社が倒れたんです。

この問題は根が深かったうえ、
影響の大きさも見えなかったので、
当時はかなり深刻でした。

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コロナショックは「実需の低迷」+「原油安」

次に、2020年に起きた、
「コロナショックの仕組み」
について解説します。

コロナショックは、
「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための実需の低下」と、
「原油安によりアメリカのシェール産業が危機的状況に陥った」という、
1-2パンチによって引き起こされています。

表向きは、
「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための実需の低下」
が深刻に見えますね。イタリアとかだと特にそうです。

ですが、

「実需の低下」は、経済活動を再開すればすぐに戻ります。

リーマンショックのときのように、
「金融システムが崩壊した」訳ではなく、
経済が「一時停止」しただけなので、再開すれば戻るのです。

実需の低下以上に根が深いのが、
「原油安によりアメリカのシェール産業が危機的状況に陥った」
のほう。これはリーマンショック級を生み出しかねません。

シェール産業が危機的状況に陥ると、
CLO(ローン担保証券、サブプライムローンの亜種みたいなもの)
の貸し倒れにつながる可能性があります。

これが起こると金融機関が大打撃を受けるので、
「第二のリーマンショック」が起きる可能性があります。

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(今のところ)危機の深刻さは「リーマンショック」の方が上

まとめると、

新型コロナウイルスによる「実需の低下」自体は、
構造的にはさほど深刻ではありません。

本当に危ないのは金融が崩壊したときです。

ひどい場合は、お金を預けている銀行が潰れ、
多額の預金が帰って来なくなる可能性もあります。
(預金保険制度の1000万円以上を入れていた場合)

幸い、2020年3月末時点で
「FRBが必死に金融危機を防ごうとしている」
というのが現況です。

だから、コロナショックは、
「まだリーマンショック級の大事には至っていない」
と考えるのが妥当でしょう。

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ただし、「リーマンショック級」となる火種も…

とはいえ、楽観もできません。

原油安がこれからも続けば、
アメリカのシェール業界が潰れ、
金融危機が起こるリスクもあります。

そうなったら、

日本の銀行もCLOをたっぷり買っているようなので、
日本の経済も大打撃を免れないでしょう。

話をまとめると、
「コロナショックは現時点ではリーマンショック未満の規模」
「ただし、原油安が続くと状況が悪化しリーマンショック級になる可能性もある」
といったところでしょう。

前者の場合は「今が株を安く買うチャンス」
後者の場合は「また暴落がくるかもしれないから要注意」
という感じ。

今できるベストな投資判断としては、
前者に備えて「いくらか株を買い」、
後者に備えて「株を買いすぎず、現金を温存する」
ってあたりが落とし所だと思います。

– 中原良太

PS

YouTube動画でも解説しています。
ぜひご視聴くださいませ〜。