From: 中原良太
喫茶店でメールを読み見ながら、、、

「株式投資、やめます」

これは先週末の夕方ごろに、
ぼくに届いたメールの文面です。

連絡してくれたのは、

還暦を迎えたばかりの、
両親くらいの年の投資家でした。

5月の相場下落を受け、
「損をしたから止める」
と言っていました。

たしかに、

2018年の2月以降、
日本株は下がり続けています。

あれから1年半。

相場はちっとも上がりません。

「良かれと思って買った株が下がった」とき、
「良かれと思って売った株が上がった」とき、
などなど。

株式投資は期待を裏切られることばかりです。

それもあり、
「どうせ続けても儲からない!」と考えて、
匙を投げてしまうみたい。

気持ちは分かります。
(僕も5月、だいぶ損をしたし…)

でもね。

僕はあえて言いたい。

「リスクを取るってのは、こういうことなんだ」

◆  ◆  ◆

そもそも論として、
「株式投資では自分の思い通りに儲からない」
ものです。

これは常識です。

「毎月、コンスタントに稼げる」とか、
「毎年、コンスタントに稼げる」とか、

こんな宣伝をする悪質な輩もいますが、
この主張に根拠はありません。嘘っぱちです。

世界一の投資家、
ウォーレン・バフェットが経営する、
バークシャー・ハサウェイの株価ですら、

「5年に1度はマイナスの年がある」し、
「株価が半分になることがある」んです。

世界一ですら投資は難しいのに、

僕ら凡人が、
「思い通りに儲からない!」
と嘆くのはナンセンスです。

「当たり前だろ?」と言いたい。

仮に、
「思い通りに儲かる」
とすれば、

「投資にリスクはつきもの」
という考え自体が間違いになります。

「思い通りに儲かりまっせ」という、
甘い囁きに屈するのはカモだけです。

もちろん、

投資には「テクニック」が沢山あるし、
「ゆっくりお金持ちになる」手法もあります。

ただそれは、

「リスクを取る(=思い通りにならないことを受け入れる)」
「上手に立ち回る(=ヘマをするリスクを受け入れる)」
ことの対価として得られるものです。

これが理解できない人は、

そのうちカモにされる運命なので、
投資を止めた方が良いと思います。

僕自身、

「この世で最も信頼できる(と思う)投資法」を、
各所で紹介しておりますが、

これだって、
「思い通りに儲かる」
ワケじゃないです。

あくまで科学は、

「自分の感覚に頼るよりはるかに良い」
というだけで、

「全知全能の神」的なものでは、
ないんですよ。

投資は、子育てと似たようなものです。

「自分の思い通りになる子ども」なんて、
いないでしょう?

もしいたとしたら、それはきっと、
よっぽど抑圧してるんでしょう。

親は子供のことを、
「思い通りにならなくても良い」
「どんな子になっても愛してる」と、
リスクを受け入れて愛するのです。

株も同じように考えましょう。
「思い通りにならなくても良い」
「それでも株式投資を続ける」と、
リスクを受け入れるしか道はありません。

このリスクを受け入れられないなら、
スタートラインにすら立てていません。

「損をしたから、株を止めます」

こういう連絡をいただくとき、
僕は、「残念だなぁ」と思うと同時に、

「リスク(=自分の思い通りにならないこと)」
を受け入れる覚悟がなかったのだと思います。

ホンモノの投資家は、
「リスクを愛する」ものです。

(向こう見ずに「大きなリスクを取れば良い!」という話じゃないですよ)

「損をしたから、株を止めます」

こういう連絡をしてくれる人は、

頭が悪いワケではなく、
能力が無いワケでもなく、

ただ単純に、

「リスクを受け入れるだけの器(余裕)」が、
準備できていなかっただけなんだと思います。

これができなければ、

どんなに多くを学び、
素晴らしい手法を得ても、

「投資に必要な最重要な土台」が欠けているので、
いずれ崩れてしまいます。

優れた投資家は、
優れた上司に似ています。

優れた上司は、
「俺の言う通りにやれ!」
のように、部下に指図はしません。

優れた上司は、
「全部、お前に任せる」(投げっぱなし)
のように、部下を放任しません。

優れた上司は、
「思い通りにならなくても良い」と、
リスクを受け入れつつ、

「この予算と方針の下、ベストを尽くしてくれ」と、
部下にほどよい条件と自由を与えるものです。

株式投資もそういうものです。

この点を勘違いしていると、
株をやると「不幸」になっちゃう。

こういう行き違いを見るたびに、
残念な気持ちになるんだよなぁ。

– 中原良太