盲者の旅路

盲者の旅路
盲者の旅路

クソジジイ達に、ぼくは憤りを抑えられませんでした。

From: 中原良太
東京駅のホームより、、、

東京駅でブラブラしていると、

白い杖を持ったおじさんが、
道に迷っているのが目に入りました。

東京駅は広いので、
目が見えない人からすれば、
もはや迷路のようなものです。

おじさんの盲目は、重度なようで、
周りのことが全く見えていないようでした。

目が見える僕ですら、
東京駅では道に迷うというのに。

彼は目が見えない中、
手探りで東京駅を歩いていました。

「よく、目が見えないのに歩けるなぁ…」と。
とても驚いたことを覚えています。



少しすると、
向かい側の路線に、
電車が止まりました。

さすがは東京駅。
人の乗り降りが激しい。

電車からは大量の人が降りてきて、

中には
容赦なく盲者のおじさんにぶつかってくる、
クソジジイも沢山いました。

「危ないなぁ…」

もうちょっと、、、
周りに気を配れないのだろうかと。

心の貧しいクソジジイ達。

そんなクソジジイ達に、
ぼくは憤りを抑えられませんでした。

何より、

目が見えない人にとって、
東京駅を歩くということは、

罠が沢山ある、難解な迷路を彷徨うような。
そんな困難なことだと思うのです。

そんな中、助けも求めず、
1人でポツリと立っている。

クソジジイ達は
そんな勇気ある彼に脇目もふらず、

むしろ「邪魔だなぁ」とぶつかりに行く始末。

うわぁ…。

「あんな、クソジジイ達のような人間には、死んでもなりたくないわ…」 と。

心底思いました。

それでも、盲者のおじさんは、

誰にも助けられることなく、
人混みに流されて行きました。

人っ子ひとり、
声をかけようとしない。

「あんなに人が沢山いるのに、なんで誰も助けに行かないの…?」と。

なんというか。
悲しい気持ち。

見ているうちに、

盲者のおじさんが、
人ごみに負けて、流されて行く。
目的地から、どんどん離れて行く。

その姿を見て、
僕も衝動を抑えられず、

気付くと、盲者のおじさんに
「道案内しましょうか?」と。
声を掛けていました。

今日は疲れていたので、
早く家に帰ってゆっくりしたかったのですが笑

そんなものは二の次。

見知らぬ人に声をかけるのも、
少し勇気が要りましたが、

そんな悠長なことを
言っている場合じゃありませんでした。

「僕の腕につかまって下さい。」
「人が多いので、僕の後ろから付いてきて」
「どこまで行きましょうか?」と。

自分でも驚くぐらい、
ポンポンと言葉が出てきました。

おじさんも、

「ありがとうございます。◯◯線まで乗り換えたいんですけど、案内していただけますか?」と。

丁寧に話してくれました。

なんだ。すごく良いおじさんじゃないか。
無視しないで良かった。声を掛けて良かった。

 

移動中の会話

「◯◯線ですね。分かりました。」

ぼくは彼の指示に従い、
彼の目となり、東京駅を案内しました。

「エスカレーターに向かっています」
「ちょっと人混みが激しいので、待機しますね」

「もうすぐエスカレーターです、足元に気をつけて」
「エスカレーターを降ります、足元に気をつけて」

普段は当たり前に気付けることでも、

目が見えないだけで、
得られる情報が限られるんだなぁと。
そう思いました。

案内しながら、
「目が見えないって、やっぱ大変なんですね…」
と、つい言葉を漏らしました。

すると、盲者のおじさんも、
「そうなんですよ笑」
とポツリ。

それから結構話が弾んで。
おじさんのすごさが分かってきました。

どうやらおじさんは
東京駅の地理に詳しいらしく。

「次はあのエスカレーターですね」とか。
かなり詳しく経路を覚えていました。

僕は思わず、
「すごい!よく覚えてますね!」
と驚きました。

「失敗の数がハンパないですからね笑」
「こういう些細なことが、生命線なんです」

おじさんはケロッとした様子で。
当たり前のように答えました。

案内が終わると、
おじさんは僕にお礼を言いました。

彼は目が見えないので、
ぼくがどこに立っているかが分かりません。

ですから、お礼を言うときも、

僕とは違うほうを向いて、
「どうもありがとうね。助かりました」
と。そうひとこと言ってくれました。

僕と彼の目線は、
その後合うことはなく、

そのまま僕らは離れ、
お互いの帰路へつきました。



ううむ。
今思えば、、、

どうせなら、
一緒に電車に乗って、
そのまま案内を続ければ良かったかなぁ…。

ちょっと後悔。

 

心に残った言葉

おじさんとの会話の中でも、
特に印象に残っているのが、

「失敗の数がハンパないですからね笑」
「こういう些細なことが、生命線なんです」

という言葉でした。

彼は、目が見えないことを割り切って。
「見えないのだからしょうがない」
「失敗しながら、学んでいこう」と。
そう考えていたのです。

「分からないし、怖い」
「でも、やらなきゃ分からないじゃないか!」

「とりあえずやってみて」
「なんども失敗して」
「そうやって学んでいこう」と。

そう話していたのが、
ぼくの心に深く刺さりました。

「あんなことが起きたらどうしよう…」
「こんなことが起きたらどうしよう…」

と悩む前に。

とりあえず一歩進む勇気。

この勇気が、すごく大事なんだなぁと。
そう思ったんです。

なんだか、彼を勇気を分けてもらった気分。

僕らも、、、
負けてられないですよねー…。

失敗しても良いから、、、
今日は、今まで研究してこなかった

全くあたらしいテーマで、
相場の分析でもしてみようかしら。

– 中原良太

 

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