「負債」と「株式」、企業にとってはどっちが重荷なのか?

「負債」と「株式」、企業にとってはどっちが重荷なのか?

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最年少で「YAHOO! 投資の達人」に選ばれた(当時22歳)。同サイトでの予想の年別パフォーマンスは、2015年「+480%」、2016年「+1024%」2017年「+943%」。最年少ながら、2015 年に「ベストパフォーマー賞」「通年最⾼勝率者賞」の2⼤タイトルを獲得。TV 出演や四季報オンラインでの連載を経験。
「負債」と「株式」、企業にとってはどっちが重荷なのか?

以前、TOPSYというサービスを紹介してくれた、京大の投資家を覚えていますか?

参考記事:京大発投資家が語る!感覚を数字に落としこむファンダメンタル分析のテクニック

シアトルに留学していたとき、京大の投資家と私で、こんな会話をしました。

京大の投資家(以下、『京』)「なあなあ、良太。」

私「ん? どうしたの?」

京「借金と、自己資本(=株主)。会社にとってどっちが重荷なのか、知ってる?」

私「突然過ぎるぞw んー。借金じゃない? 株には返済義務は無いし。」

京「それがさ、株主なんだよね。」

私「え…?」

意外な回答に、私は首をかしげてしまいました。

  • 借金は返さなければいけない
  • 自己資本(=株)は、返さなくても良い

投資家ならば、これは常識。

普通に考えれば、「返さなくても良い方がラクだ」と思いますよね?

ですが、彼の答えは全く違っていたんです。

 

目次

  1. 「自己資本」は「借金」よりも重荷だ。
  2. 「自己資本」の裏には投資家からのプレッシャーがある。
  3. まとめ:投資家は企業にストレスを与える。

 

1. 「自己資本」は「借金」よりも重荷だ。

「自己資本」は「借金」よりも重荷だ。

繰り返しとなりますが、借金と自己資本の違いは、以下のようになります。

  • 借金は返さなければいけない
  • 自己資本(=株)は、返さなくても良い

…一見すると、自己資本の方が楽そうですよね。

ちょっとだけ見方を変えてみましょう。

あなたは今日、仕事終わりに、豪勢なディナーを楽しむつもりです。

ですが、最悪。なんと、サイフを忘れてしまったようです。

そこで、あなたは上司にこう頼み込みます。

「明日にはお返ししますので、1万円貸していただけませんか?」

「ああ、いいよ。」

これは、「明日返すだけ」の普通の貸し借りですよね。この中には、プレッシャーも何もありません。返す目処がつかなければお金は借りませんし、上司には借りた分のお金を返せば良いだけです。別に、「5万円にして返せ」などとは言わないでしょう。

これが、「銀行から借りたお金」の扱われ方。一軒家を購入して、ローンの返済をされている方ならば、この気持ちは分かるかもしれません。

では次に、別のパターンを見てみましょう。

…もし上司が、こんな返しをしてきたらどうでしょう?

「いや、1万円くらいならあげるよ。その代わり、明日からはバリバリ働いてくれよな」

プレッシャーが半端じゃないですよね。少なくとも上司は「1万円」よりも遥かに大きな見返りを期待しています。

これこそ、「投資家から受け取ったお金」の扱われ方です。1万円もらったら、5年後に2万円になることが期待されています。イメージとしては、一軒家を会社が購入してくれたものの、(暗黙のうちに)労働契約を交わしてしまったような感じだと言えるでしょう。

 

2. 自己資本の裏には投資家からのプレッシャーが隠されている。

自己資本の裏には投資家からのプレッシャーが隠されている。

このように、自己資本・株式は投資家からのプレッシャーが大きくかかる、負荷の大きな存在だということが分かります。

自己資本が大きいと、財務的には健全とされています。しかし、その裏には、ドロドロと、様々な思惑が渦巻いていることも意味しているんです。

ですから、自己資本比率の高い・低いことにはそれぞれの一長一短がありますから、業態に合った比率の選択をしているかどうかを見極めるのが肝要です。

 

3. まとめ:投資家は企業にストレスを与える。

まとめ:投資家は企業にストレスを与える。

投資家は見返りを求めて企業へ投資するもの。ですから、自己資本比率が高い会社というのは、「それだけ、見返りを求める多くの投資家によって、会社ががんじがらめにされている」可能性も示唆されます。

自己資本比率。

数字として見るとシンプルですが、深く分析すると、思った以上に奥の深い、経営指標のようです。