【続編】私が大好きなテクニカル指標、W%Rを使うときの2つの注意事項。

【続編】私が大好きなテクニカル指標、W%Rを使うときの2つの注意事項。
【続編】私が大好きなテクニカル指標、W%Rを使うときの2つの注意事項。

前回の記事を読んでいない人は、そちらから読んでいただければ幸いです。

以前、「ピーク・エンドの法則」が株式投資に大いに活用できるという話をしました。そのときに私の大好きなテクニカル指標、W%Rについてもご紹介したのですが、覚えていますか?

参考までに、計算方法は以下のとおりです。

W%R=(当日の終値−過去n日間の最高値)÷(過去n日間の最高値−過去n日間の最安値)× 100(%)

私がこの指標が好きな理由は、「極端な価格(最高値・最安値)」と「直近の価格(終値)」しか使っていないため、無意識のうちに投資家が加味すると考えているからです。

以前の記事は大好評いただき、多くの投資家の方が実際に、W%Rを利用してくれるようになったのですが…。その一方で、「W%Rは万能なんだ! 最高だ!」と、思い上がってしまう人もちらほら。

ううむ。困りました。

この指標は「私が好きな指標」というだけであって、決して万能な指標なんかじゃないんですけどね苦笑

そこで今回は、読者の皆様にうまくW%Rを使いこなしていただくため、「W%Rの弱点」をご紹介します。

 

目次

  1. W%Rの弱点その1=全てのレンジを「1」と定義していること
  2. W%Rの弱点その2=「1」と「0」に張り付いてしまう可能性
  3. W%Rの弱点を克服するためにできること
  4. まとめ:複数の指標を組み合わせて弱点をカバーしよう。

 

1. W%Rの弱点その1=全てのレンジを「1」と定義していること

W%Rの弱点その1=全てのレンジを「1」と定義していること

もう一度、計算式を見なおしてみましょう。

W%R=(当日の終値−過去n日間の最高値)÷(過去n日間の最高値−過去n日間の最安値)× 100(%)

計算に慣れている方ならば簡単にお分かりでしょうが、W%Rは0〜100%の値しかとりません。

この指標を使って分かることは、「期間レンジ(最安値〜最高値)の中で、直近の終値がどこに位置しているのか?」ということだけです。これを言い換えれば、値動きの大きな銘柄と値動きの小さな銘柄の差異が全く確認できないんです。

ですから、「W%Rが90%(底値圏にある)から割安だ」という判断は必ずしも正しくはありません。たとえば、以下の2つのサンプルを見てみましょう。

  • 最安値=100円、最高値=300円、直近終値=105円
  • 最安値=10,000円、最高値=10,300円、直近終値=10,005円

これらの2つのサンプルでは、W%Rは全く同じ値をとります。しかし、一方のW%Rは信憑性が高いのに対してもう一方のW%Rは信憑性に欠けることがお分かりいただけるでしょうか?

前者は、一時株価が3倍(3分の1)にまで変化する、値動きの大きな銘柄です。

一方、後者は一時株価が3%増えた(減った)、値動きの小さな銘柄です。

同じ指標を見ると「割安」という判断に行き着いてしまいますが、大して値動きもしていない銘柄が、たった3%安いだけで「割安」と判断しても良いでしょうか? もちろん、良くないですよね。

このように、全ての株価位置を「0〜1」の範囲におさめてしまうと、レンジの大きさが全く加味できず、場合によっては買っても何のトクにもならない銘柄を「割安」とみなしてしまう危険性があります。

 

2. W%Rの弱点その2=「1」と「0」に張り付いてしまう可能性

W%Rの弱点その2=「1」と「0」に張り付いてしまう可能性

W%Rはいわゆるオシレーター指標(逆張り投資をしている方に好まれて使われる指標)なのですが、この欠点として数値が極端な位置にはりついてしまうことが挙げられます。

例えば、連続してSTOP高やSTOP安が続くと、W%Rの値は0や100%に張り付いたまま、動かないということが往々にしてあります。

2日連続でSTOP安になった時と、3日連続でSTOP安になった時。後者の方が値下がり幅が大きいですから、圧倒的に割安なはずです。しかし、W%Rだけを見ていても、この2者は全く見分けがつきません。

このように、オシレーター指標は同じ銘柄で比べた時でも機能しないことがあります。

 

3. W%Rの弱点を克服するためにできること

W%Rの弱点を克服するためにできること
  • 全てのレンジを「1」としている
  • 「0」や「1」に張り付いてしまう

これらの弱点を克服するためには、他のパラメータを利用するのがオススメです。

1つめの弱点をカバーするためには、「期間レンジ(最安値〜最高値の幅)」を加味をするのが有効でしょう。これを利用することにより、値動きの粗い銘柄と緩やかな銘柄を2分し、別々に傾向を見極めることが可能となります。

2つめの弱点をカバーするためには、オシレーター指標以外のテクニカル指標を利用することをオススメします。簡単な例を挙げると、移動平均乖離率。この指標は一定の値に張り付くことがありませんから、あわせて利用すれば「割安感」「割高感」を正確につかめるようになります。

 

4. まとめ:複数の指標を組み合わせて弱点をカバーしよう。

まとめ:複数の指標を組み合わせて弱点をカバーしよう。

全ての指標には長所と短所があります。大切なのは、書籍に書かれていることを鵜呑みにするのではなく、自分できちんと指標の特性を理解し、「なぜ利用価値があるのか」「弱点を克服しながら最大限に活用する方法はなにか」を模索すること。

私もW%Rが大好きですが、単体で使うことは殆どありません。危険ですからね。

工夫次第で、どんな指標でも様々な使い道があります。ぜひ、いろいろな組み合わせを試してみてくださいね。