分散投資は不要? 投資スタイルによって資金分散の重要度は大きく変わる。

分散投資は不要? 投資スタイルによって資金分散の重要度は大きく変わる。

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最年少で「YAHOO! 投資の達人」に選ばれた(当時22歳)。同サイトでの予想の年別パフォーマンスは、2015年「+480%」、2016年「+1024%」2017年「+943%」。最年少ながら、2015 年に「ベストパフォーマー賞」「通年最⾼勝率者賞」の2⼤タイトルを獲得。TV 出演や四季報オンラインでの連載を経験。
分散投資は不要? 投資スタイルによって資金分散の重要度は大きく変わる。

分散投資のメリット・デメリットや、投資スタイルごとの使い分け方について紹介します。

今月はリスク管理のお話しを沢山しましたが、
そこで焦点になったのは「資金分散」や「ポジション管理」でしたね。

これは、「いつ買うか」「いつ売るか」というタイミングの話とは異なり、「いくつ買うか」「何種類買うか」という別の次元の話です。

この中でも、「分散投資」の重要性は、投資家の分析スタイルによって大きく左右されるもの。私自身は積極的に分散をするタイプですが、一方で分散しない方が得なタイプが居るのも事実。

そこで今回は、分散投資のメリット・デメリットや、投資スタイルごとの使い分け方について紹介して参ります。

 

目次

  1. 分散投資とは?
  2. 分散投資のメリット
  3. 分散投資のデメリット
  4. 分散投資を行うべきシチュエーション。
  5. 分散投資を避けるべきシチュエーション。
  6. まとめ:「知ったつもり」が一番危険。

 

1. 分散投資とは?

分散投資とは?

分散投資:投資金額を分散していくつかのものに投資する手法。

「分散投資」という言葉をご存知ですか?
…こんな質問をしたら、読者の皆さんに怒られてしまうかもしれませんね。

投資家にとって、「分散」という言葉は常識中の常識です。

しかしその一方で、その言葉を深く理解している方はなかなか居ません。更に言えば、「分散投資」にはいくつか種類があるということも、あまり知られていません。

まず、「分散」の方法を2種類ご紹介しましょう。

(1) 投資対象を分散する。

「分散投資」と言われてまず思い浮かぶのが、資金を複数の銘柄に分散することが挙げられます。そのようにすることで、いくつかのポジションが裏目に出たとしても、その影響を小さく抑えられる(かも知れない)と期待できるからです。
この手法は心理的にも有効であり、「1銘柄に集中していないから安心しやすい」という利点があります。

ここで重要なのが、相関(または逆相関)のあるものに投資しなければ分散の意味があまりないという点。例えば、「Aが上がったらBが下がる」という逆相関があるのだとすれば、両方を買い建てておくことでリスクをヘッジすることが可能です(逆に、「Aが上がったらBが上がる」という正の相関がある場合には一方を買い建て、もう一方を売り建てすることとなります)。よく行われるのは「為替(円)が下がれば日経平均が上がる」「債券が上がれば日経平均が下がる」など。双方に買いポジションを持っておくことで複数の投資商品をまたぐことでリスクを低減する手法です。

(2) 時間を分散する。

1銘柄しかポジションを持っていないとしても、分散投資は可能です。単刀直入に言うと「違う時間に買う」だけで良いのです。例えば、順張りが得意な投資家ならば、「最初は1単元しか買わない」。そして株価が上がって利益が出て行くにつれて「ポジションを積みましていく」という方法があります。
意図的に行う方も居るでしょうが、積立投資のように、「貯金が増えるにつれて投資額を増やす」と、無意識に行っている方もいます。

このメリットは、「全市場が暴落した場合」に痛い目に遭わずに済むという点。どれだけ銘柄を分散したところで、時期が悪ければ大半のポジションが裏目となります。大資本を持っている方は、銘柄の分散だけでなく、一度に投資できる全ポジションの上限額を設定するのが無難です。

分散投資の手法を2つご紹介しましたが、ここまでで「発見の連続だった」という方も多数居るでしょう。

「とりあえずお金を振り分けておけば良いんでしょ?」

という方は注意が必要です。

適切に分散投資を行うためには、投資先ごとのポジションサイズの管理や、売買タイミングを一定期間ずらすなど、緻密な計画が必要なんです。

 

2. 分散投資のメリット

分散投資のメリット

分散投資の最も大きな利点は「安心できる」という点だ。

分散投資の最も大きな利点は、「安心できる」「冷静な思考ができる」点でしょう。短絡的な思考や無計画・感情的な判断が身を蝕んでいくのがマーケット。このような状況下で、ベスト・コンディションで戦えるのは武器になります。

これら以外にも、分散投資の利点は2点あります。それぞれおさらいしておきましょう。

(1) リスクを抑えられる。

適切な分散投資を行うことで、リスク量を低減することが可能です。株式投資で言えば「法改正」「粉飾決算」「倒産」「上場廃止」などが株価に与える影響は莫大です。しかし、1銘柄に投入した資金量が(相対的に)少ないことから、万が一の場合にも痛手を被らずに済むのです。

(2) 資金の有効利用ができる。

余剰資金がある場合は、その資金を利用してリスクをヘッジすることが可能です。これにより、自らの資産を有効活用できます。
また、リスクを一定以上抑えたら、レバレッジを利かせる余裕が生まれる可能性もあります。これにより、効率的な運用ができる場合もあります。

 

3. 分散投資のデメリット

分散投資のデメリット

分散投資の最も大きなデメリットは「時間がかかる」という点だ。

前述したとおり、分散投資には緻密な計画と分析が必要不可欠です。分散投資では利益を増やせないのが普通ですから、投資活動そのものが非効率なものとなります。

デメリットは他にもあります。

(1) リターンが抑制される。

リスクが抑制されるということは、リターンが抑制されることと同義です。

「時間をかけながらリターンを減らしている」

非効率な行為であることを、念頭におきましょう。

(2) 「やった気分」の自己満足となるリスクも。

テキトーに資金を振り分けたしただけで「分散した」と思う方が多いのも事実。その実、中身の伴っていない分散をされている方が多いのです。例えば、トヨタの株を買って、その関連銘柄の株を買って…というのでは、リスク低減は殆どできていないでしょう。
最悪の場合、リスク低減できていないにも関わらずレバレッジを利かせてしまい、結果として大損するというケースです。中途半端で「自己満足」な分散投資をする位ならば、現金として保有しておいた方がよっぽどマシです。

 

4. 分散投資を行うべきシチュエーション。

分散投資を行うべきシチュエーション。
分散投資には「メリット」と「デメリット」があるのが、ここまででお分かりいただけたでしょう。勘の良い方は既にお分かりかと思いますが、投資手法によってはメリットが目立つ場合や、デメリットばかりが際立つ場合があります。前者では積極的に分散投資を行うべきですし、後者は集中投資の方が効率的です。

私が専門としている「システムトレード」は、分散投資を行うべき投資手法である恰好の例でしょう。なぜなら、この投資スタイルは「確率論」を中心に短期的な投機を繰り返していく手法です。一定のルールを用いて機会的にシグナルを抽出するため、時間がかかりません。問題なのは精度はそこまで高くないという点。よって、1銘柄に大きな負担を掛けるのはナンセンスです。

他、ポジションの管理などに時間をかけられない方にとっては、分散投資は不可欠でしょう。「気づいたら資産が半分になっていた」のでは困ります。投資が下手な人や、時間の無い人ほど分散に頼るしかないのです。

 

5. 分散投資を避けるべきシチュエーション。

分散投資を避けるべきシチュエーション。
ファンダメンタル分析を中心に、企業を徹底的に分析する・長期投資を行う方にとっては、分散投資は非効率的過ぎる面があります。

世界で最も成功した投資家である、ウォーレン・バフェットの投資流儀がこの場合に当てはまるでしょう。彼のモットーは「集中投資」なのです。

彼は、企業の経営方針・ルール・財務諸表・競合・成長見込みなど、多岐に渡るファンダメンタル情報を徹底的に解析することで、「10年以上」の株式保有を見越した上で投資判断を下します。

「同じカゴに卵を入れてはいけない」

という現代ファイナンス理論に対し、バフェット氏は

「同じカゴに卵を入れて、厳重に見張れば良い」

と、皮肉を込めて回答しています。

彼ほど高精度で投資をできる人物にとっては、分散投資は逆効果なのです。
むしろ、熟知していない銘柄に投資することこそ危険なのです。

 

6. まとめ:「知ったつもり」が一番危険。

まとめ:「知ったつもり」が一番危険。

「ちゃんと分散してる?」
ここまで読んでみると、自信を持って「はい」と答えられる方はなかなか居ないのではないでしょうか?

分散投資は難しいです。投資を続けて行きたい方は、「分散」という概念を改めて学び直してみてはいかがでしょうか?

あなたに、1つ質問です。

「本当に、ちゃんと分散してる?」

「それとも、分散は必要ない?」