なぜ、利益が出たのにツラいのか?

From: 中原良太
自宅の書斎より、、、

僕ら投資家・トレーダーの目的は、利益を出すことです。ですから、利益を出したら、喜ぶべきだと思います。

でも、なぜでしょう? 「利益は出ているのに楽しくない…!」と思うことが、多い気がするのです。

ぼく自身、スズメの涙ほどではありますが、2018年に入ってから利益を出しています。だから、喜ぶべきだと思うんです。

でも、なぜか、そんなに嬉しくないんです。むしろ、「もっと利益が出ていた時期があるのに、こんなに減ってしまった!」という気持ちの方が強いです。

プロスペクト理論

自分で体感してみて、「これがプロスペクト理論か…!」と、やっと気付きました。

過去にも、こんな経験は何度かありました。「自分は冷静なはず」「ぼくには通用しない」なんてことを考えていて、現実を直視できていませんでした(笑)

それが、やっと体系的に理解できた気がします。

「プロスペクト理論(期待理論)」とは、「人は利益に対する喜び以上に、損失に対する苦痛を強く感じる」というものです。

たとえば、150万円の利益を出したとしても、そのあとに100万円の損失を出してしまったとしましょう。

この場合は、利益が50万円残りますが、「損をした!」って感情のほうが、強く残るってことですね。

ぼく自身、今年の運用成績は、このような感じです。「200万円の利益を出した→150万円の損失を出した」といった具合なので、損をした感覚が強いのかもしれません。

ちなみに、ダニエル・カーネマンの研究によると、「損失は利益の2.5倍望ましくないものだ」という結論に達しています。

要するに、「利益を損失の2.5倍以上出さないと、トントン以上の感覚は得られないのではないか?」ってことですね。

運用計画の目安

ここで、大事な話が2つあります。1つは、「人は損得を正しく処理できない」ってことです。

ぼくらの感情は、利益を小さく、損失を大きく勘定します。だから、たとえ勝てる運用術を使っていたとしても、ときどき「勝てる気がしなくなる」のは、これが原因かもしれません。

もう1つは、「資産運用で大きな成果を出すには、継続が必要だ」ってことです。

かのバフェットも、あれだけの資産を築き上げるのに、50年以上の歳月を要しました。50年ですよ、50年。それだけの年月、淡々と物事を続けるのは、とても大変なことです。

この2点を踏まえ、ぼくらは「自分の不合理性に合わせて、運用計画を練る」ってのが大切だと思います。

たとえば、カーネマンの研究に基づいて考えるとすれば、「プロフィット・ファクターが2.5倍以上ある手法で運用する」ってのが、継続するうえで妥当な条件でしょう。

つまり、利益を素直に喜べるようになるには、損失の2.5倍以上の利益を出さなきゃいけないってことですね〜。

この水準を割り込む運用計画では、たとえ利益を出せたとしても、「利益を出せている気がしない」「運用そのものが辛い」といった感覚に襲われるでしょう。

そうなってしまっては、良い運用計画でも、続けることができません。ですから、自分で運用しやすいように、工夫しなきゃいけませんよね。

– 中原良太

2018-07-28T13:00:11+00:00